産経の本

『台湾を築いた明治の日本人』 粉骨砕身したサムライたち

産経NF文庫「台湾を築いた明治の日本人」(潮書房光人新社)
産経NF文庫「台湾を築いた明治の日本人」(潮書房光人新社)

近代日本にとって、台湾はどのような存在だったのか。明治期のリーダーたちは現代の私たちと何が違うのか。本書は4人の日本人を中心に、足跡をたどりながら、その問いに迫る物語である。

日本統治時代の台湾でコメの品種「蓬萊米」を開発した磯永吉、東洋一のダムを築いた八田與一(よいち)、台湾総督・児玉源太郎、総督府民政長官・後藤新平…。いずれも、日本国家のためだけでなく、台湾住民のために粉骨砕身で己の仕事をまっとうしたサムライたちといえる。

1904年9月の英紙タイムズ、米紙ニューヨーク・タイムズには、日本の台湾統治を絶賛する記事が掲載された。欧米諸国の植民地統治は、抑圧、収奪、搾取の側面が目立ち、台湾についてもスペイン、オランダ、清国が支配の手をのばそうとしたが失敗に終わった。一方で、日本による統治は台湾に成功を収めたからだ。本書の最終章には、米紙の記事の全訳を付けている。

世界の植民地経営にその名を残した明治の日本、日本人とは何者であったのか。アジアに造詣の深い開発経済学者である著者が、生き生きとした群像劇に仕立て、その答えを導き出している。

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