朝晴れエッセー

犬物語・10月30日

最近、朝に散歩するようになった。

それまでは、休みの日の昼や夕方に出かけ、ついでにランチやバーなどをのぞいてみるのが楽しみだったのだが、このご時世ではあきらめざるを得ない。

朝に散歩すると、それまで気にならなかったことが気になるようになる。それが犬の名前である。といっても犬種ではない。

いろんな犬と飼い主が散歩しながら挨拶しており、○○くん、○○ちゃんと呼ばれて飼い主は楽しそうである。

肝心の犬はというと喜んでいるのもいれば、なでさせてやっている風、嫌がっている風もいる。

そのうち、よく見かける犬には名前を付けるようになった。もちろん本当の名前は知らないので勝手にこちらが名づける。

飼い主の足元をバレリーナのごとく回っているクルクルちゃん、飼い主の後を息も絶え絶えによたよた歩くヨタくん、大きくてどんな犬にも動じないダイちゃん。

青いベストの青鬼君と赤いベストの赤鬼君は、すれ違うときに、いつも2匹でじゃれあっている。歩けないのか乳母車に乗っている大五郎、いつも抱っこされているダッコちゃん、飼い主の一服に地べたに伏せるハイライト。

名前を挙げればきりがないが…何日か見かけないときは心配になる。いつも同じ時間に散歩しているわけではないので、時間が微妙に違うだろうし、飼い主の体調にもよるだろうが、寿命かもしれない。

しかし新しい犬に出会うと早速名前を考えている自分がいる。今日はどんな子に会えるだろうか。

松村圭二 64 東京都小平市