生演奏で幻想的ムード 世界文化賞伝達式でヨーヨー・マさん

記者会見でチェロを披露するヨーヨー・マ氏=29日午後、東京都港区(三尾郁恵撮影)
記者会見でチェロを披露するヨーヨー・マ氏=29日午後、東京都港区(三尾郁恵撮影)

現代最高峰のチェリストによるバッハの美しい調べが鳴り響く。29日、東京都港区で開かれた第32回「高松宮殿下記念世界文化賞」音楽部門の顕彰メダル伝達式。受賞者のヨーヨー・マさん(66)は記者会見で生演奏を披露し、会場は幻想的な音色に包まれた。

ヨーヨー・マさんが演奏したのはバッハの無伴奏チェロ組曲第1番プレリュード。約2分間の演奏を行った。「パンデミック(世界的大流行)の間、私が最も演奏した作品です。この曲は人々のためだけではなく、自分のためにも『癒し』の曲となりました」

コロナ禍においても精力的な活動を続けるヨーヨー・マさん。家に留まる人のため、演奏の動画をオンライン配信するなどさまざまな試みを行っている。

「最前線で頑張る医療関係者の方々らに接することで、大きなインスピレーションを受けました。パンデミックの間、多くの人が一人で孤独に過ごしました。周りの方が亡くなられた方もいます。音楽を通じて少しでも癒しと希望を与えられたら、と思ったのです」

3月には米国内で2回目のワクチン接種を受けた際、その会場で15分待機する間、人々の前でチェロの演奏を披露して話題になった。

「もともと演奏するつもりはなかったが、自分の車にチェロを置いておけなかった。会場に持っていけば、『演奏してくれるんですか?』となりますよね。本当に素晴らしい経験となりました」

今回の受賞について、「私は文化の力を心底信じています。この素晴らしい賞を受賞でき、心から光栄に思っています」と感謝の言葉を述べたヨーヨー・マさん。今後は名古屋市や川崎市などで公演を行い、音楽の力を日本のファンたちと共有する。