回答に既視感、問われる覚悟 拉致問題アンケート

北朝鮮拉致問題に関して産経新聞が9政党に実施したアンケートでは、国際社会との連携深化や国内世論の喚起など、各党の今後の取り組みも列挙された。ただ、既視感があるものも多く、被害者家族は「国会の場で議論を尽くし、被害者奪還の推進力になってほしい」と、一層の奮起を求めている。

「今後、拉致問題にどう取り組むか」を記述式で尋ねた設問に、公明は「米韓との連携強化や国連への働きかけを実施」と回答。日本維新の会は、本拠地の大阪府議会で今月、拉致問題の啓発活動を推進する決議案が採択されたことを引き合いに、「うねりを全国に広げる」と展望を述べた。

横田めぐみさん(57)=拉致当時(13)=の弟の拓也さん(53)は、「拉致問題は重大な人権侵害であり、元来、思想信条で対応が変わる事案ではない」と指摘。「国家課題の拉致について、やるべきことは残されているはず。各党が知恵を出し合い実効性のある対策を打ち出してほしい」と訴える。

アンケートでは日朝首脳会談の必要性も尋ね、大半が早期実施への支持を表明した。「開催の必要なし」とした党はなかった。

長らく政権与党を担う自民は、理由として、過去の政府の対北交渉をめぐる経緯に触れ、「日朝間で合意した拉致問題を再調査する『特別調査委員会』の解体など、一方的な合意破棄がこれまでもたびたび行われた」と言及。「首脳同士が直接会い、解決に向けた道筋を作るべき」と、トップ会談の重要性を強調した。

31日に投開票が迫る衆院選では、拉致問題をめぐる論戦は低調。「拉致」を政策として触れていない党もあり、触れている党も、その内容は似通っている。

アンケートでは、家族会や支援組織「救う会」が求める「全拉致被害者の即時一括帰国」に賛同が集まったが、一部家族からは「われわれと歩調を合わせていればよいという考えに基づくのであれば、意味はない」との声も漏れる。

市川修一さん(67)=同(23)=の兄、健一さん(76)は「一丸となり、覚悟を持って臨めば事態は動く。言葉にとどまらず、行動を見せてほしい」と述べた。

拉致「一括帰国」賛同は6党 本紙政党アンケート