応援演説でマイクを握る安倍晋三元首相(左)と福岡市の高島宗一郎市長=福岡市博多区
応援演説でマイクを握る安倍晋三元首相(左)と福岡市の高島宗一郎市長=福岡市博多区

自民党の安倍晋三元首相は衆院選最終盤の29日、福岡、熊本両県で街頭演説を行った。昨年首相を退き、現在は党の役職にも就いていないが、特に保守層への人気は健在で、選挙期間中は候補者支援に全国を駆け回った。

安倍氏は福岡市博多区のJR博多駅前で、福岡1区に出馬している自民前職の応援でマイクを握った。1区の前職は、安倍氏の盟友、麻生太郎副総裁率いる麻生派所属で、麻生氏側近の一人。選挙戦では立憲民主党などの野党候補をリードしているが、最後の一押しに駆け付けた格好だ。

安倍氏は新型コロナウイルスの第5波の収束や失業率が低水準に抑えられていることなどを例に「菅(義偉)政権は文句ばかり言われているが、ワクチン接種や雇用で成果を出している」と訴えた。

加えて、第2次安倍政権の成果も強調。旧民主党政権時に比べて正社員の有効求人倍率が大幅に改善されたことなどを挙げ「3本の矢、アベノミクスで挑んだ結果、まっとうな社会経済を作り上げることができた」と力を込めた。

今回の選挙については「(旧民主に政権を奪われた)2009(平成21)年の時のような厳しい風が吹いている」とし「自公安定政権を選ぶのか、立憲民主党と共産党のコンビを選ぶのか。政権選択の戦いだ」と支持を呼び掛けた。

街頭演説には安倍氏に近い福岡市の高島宗一郎市長も登場し「福岡はアベノミクスの追い風を受けて日本で一番成長した街だ」と援護射撃した。

今回の選挙で安倍氏は平成21年以来、12年ぶりに地元山口4区で公示日を迎えたが、選挙戦3日目以降は各地の候補者の応援に奔走。訪れたのは全国約70カ所に上るという。30日は再び地元に入る予定だ。

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