一聞百見

Bentoに魅せられて ベルトラン・トマ BERTRAND(ベルトラン)代表

弁当文化に魅せられトマさんが開いた弁当箱専門店「Bento&co」の前で =京都市中京区(柿平博文撮影)
弁当文化に魅せられトマさんが開いた弁当箱専門店「Bento&co」の前で =京都市中京区(柿平博文撮影)

Anime(アニメ)、Bonsai(盆栽)、Origami(折り紙)…。世界をせっけんする日本のポップカルチャーだが、昨今、注目を浴びるのが「弁当(Bento)」だ。人物や動植物、アニメのキャラなどを模した具材で彩った〝キャラ弁〟に世界が驚愕(きょうがく)したが、そんな日本の弁当文化に魅せられ、京都市で弁当箱の専門店を営むフランス人がいる。ベルトラン・トマさん(40)。京都からネット通販で世界105カ国に弁当箱を売ったトマさんに、日本の弁当文化の魅力を聞いてみた。(聞き手 編集委員・岡田敏一)


きっかけは日本のアニメ

買い物でいつも通る寺町通と六角通の交差点を少し西に入ったところに、見慣れない店ができたのは、平成24年春のことだった。

「Bento&co(ベントーアンドコー)」という不思議な店名にひかれ店内に足を踏み入れると、何と弁当箱の専門店。かわいい芸妓(げいこ)さんと忍者を模した弁当箱は、2段重ねで頭の部分がお椀(わん)になっている。

芸妓や忍者を模したかわわいいオリジナルの弁当箱。2段重ねで、頭の部分がお椀になっている=京都市中京区(柿平博文撮影)
芸妓や忍者を模したかわわいいオリジナルの弁当箱。2段重ねで、頭の部分がお椀になっている=京都市中京区(柿平博文撮影)

他にも美しい花柄をあしらったものや、職人の技が光る曲げわっばのものなど多種多彩。さらに弁当箱を包むきんちゃく袋や水筒、箸といった関連商品も。

商品を手に取りながら店員さんに話を聞くと、経営者は何とフランス人。そんなわけで、初取材から約10年。再びお店でお話を伺った。

生まれ故郷は仏・リヨン南西の街サンテティエンヌ。パリから電車で南東に約3時間半。国連教育科学文化機関(ユネスコ)認定のデザイン都市で、サッカーの元日本代表、松井大輔さんが一時、所属した1部リーグ「ASサンテティエンヌ」の本拠地だ。

そんな街で20歳まで暮らしたトマさん。「実家は田舎の方で、庭の隣では牛がウロウロ。トウモロコシ畑や麦畑が広がっていましたね」。のどか過ぎる田園風景をバックに、野山を駆け回る日々を過ごした幼少期、人生を変える出来事が起きる。

「7歳の時でした。テレビで日本のアニメ『ドラゴンボール』を見て、大ファンになったんです」