井崎脩五郎のおもしろ競馬学

眞子さん結婚で読む天皇賞

ヴィクトリアマイルで優勝したグランアレグリア=5月16日、東京競馬場
ヴィクトリアマイルで優勝したグランアレグリア=5月16日、東京競馬場

小室眞子さんの結婚記者会見。

テレビ中継を見ながら、長老の競馬記者が、ポツリと言った。

「眞子さんも、お引っ越しかあ…」

小室圭さんと結婚された眞子さんは、30年間住み慣れた赤坂御用地から、都内のマンションへ住み替えをなさる。

眞子さんはこれまで、四方に気をつかい、また四方から注視されて、息抜きできない生活を送られてきたが、この住み替えを機に、安らぎの時間が増えることを祈らずにはいられない。

ところで、競馬では所属する調教師が変わり、馬が新しい調教師の厩舎(きゅうしゃ)に移り住むことを転厩(てんきゅう)というのである。

馬で、転厩して一変した例というと、最近ではモーリスが有名。2~3歳時は7戦して2勝。新馬と500万下の特別を勝っただけ。負けた5戦はすべてオープンクラスで⑥⑤④⑦③着と壁に突き当たっていた。ところが、転厩した4歳時から、まさに一変するのである。4歳以降は11戦して<9・2・0・0>。連対率100%。安田記念とマイルチャンピオンシップを勝ち、勢いに乗って天皇賞・秋も制覇。香港には3度遠征して、3戦3勝だった。

転厩して環境が変わると、心機一転して、まるで別馬のように走り出す馬がまれにいるといわれてきたが、その実例といってよかった。

実はモーリスの父であるスクリーンヒーローが、かなり奥手の馬で、2~3歳時は未勝利戦と500万下を勝っただけ。オープンクラスでは⑤②⑦②⑯③着と全敗。ところが4歳時になって軌道に乗り、アルゼンチン共和国杯、ジャパンカップと重賞を連覇。

この奥手の血が、もちろんモーリスにも流れているから、転厩によって一気に着火したのではないか―とみられている。

モーリスは58キロを背負って2000メートルを走るのは初めてだったのに、天皇賞・秋を勝った。この快事に、今週の天皇賞・秋ではグランアレグリアが挑む。牝馬グランアレグリアにとって、56キロでの2000メートル戦は初。モーリス並みの奥深さがあるか、問われる一戦だ。(競馬コラムニスト)