野村卓也 うめきたto the World

鉄鋼マンからコンテンツ制作へ異色の経歴の魅力

ポリゴン・ピクチュアズ社長の塩田周三さん(左)と筆者(ISCA本審査会場にて)
ポリゴン・ピクチュアズ社長の塩田周三さん(左)と筆者(ISCA本審査会場にて)

インターネットによる動画配信が世界的に人気だ。

そのため、映画やゲームの分野で優れたコンテンツを企画、制作できる会社

が求められている。東京都港区に本社を置くポリゴン・ピクチュアズは3DCG(3次元コンピューターグラフィックス)アニメーションのプロダクションとして世界でも評価が高い。

同社社長の塩田周三さんとは10年以上の付き合いになる。CGアニメ会社の社長としては異色の経歴の持ち主といえるだろう。もともと映像やアニメにはさほど興味はなく、大学卒業後は新日本製鉄(現在の日本製鉄)に就職するが5年で退職し、縁あって同社に入社した。鉄という、文字通りハードを扱う仕事からソフトの業界へ、真逆ともいえる転身だ。

一見、関連性がないように見える2つの仕事だが、長時間労働が当たり前だった制作会社の働き方を、社長となって改革しようと考えた際には製鉄所の工程管理の仕組みが役立ったという。

生産性向上という視点でみると課題の本質は同じだったのだろう。逆にいう

とソフト会社の創造性をマネジメントする手法を製造業に生かすことができるかもしれない。異業種の接点が重要といわれる所以(ゆえん)だ。

塩田さんにはJR大阪駅北側の知的創造・交流の場「ナレッジキャピタル(KC)」(大阪市北区)が主催する世界の学生を対象とした映像とデジタルコンテンツのコンテスト「ISCA(INTERNATIONAL STUDENTS CREATIVE AWARD)」の審査員を毎年お願いしている。海外受賞者も多いため、子供時代のアメリカ生活で培った英語力を生かして、最近では授賞式の司会も務めてもらっている。

今年度の受賞作品発表と授賞式は来年1月21、22日、KCで開催予定だ。ところで、塩田さんの趣味はバンド。ボーカル担当だといい、「コロナで活動できないので、ギター練習に励んでいて相当うまくなった」と豪語していた。司会に加え、ギターの腕前も披露してもらいたいと考えている。

野村卓也(のむら・たくや)氏 一般社団法人ナレッジキャピタル総合プロデューサー。大阪府生まれ。平成4年にスーパーステーションを設立し、現在も社長を務める。グランフロント大阪の中核施設「ナレッジキャピタル」の開業に先立ち、20年からコンセプト立案や事業戦略などを手がけた。関西大、大阪芸術大の客員教授。一般社団法人データビリティコンソーシアム戦略顧問。29年から内閣府政策参与も務める。