未払い発生後も高額報酬 ケフィア元代表、起訴内容認め謝罪

鏑木秀弥被告
鏑木秀弥被告

通信販売会社「ケフィア事業振興会」が、加工食品のオーナー制度などの名目で多額の資金を不正に集めて破産した事件で、詐欺と出資法違反の罪に問われた元代表、鏑木秀弥(かぶらき・ひでや)被告(85)の初公判が29日、東京地裁(佐伯恒治裁判長)で開かれた。鏑木被告は起訴内容を認めた上で「本当に申し訳なくおわび申し上げる」と謝罪した。同社は全国の延べ約4万4000人から計約2100億円を集めたとされる。

検察側の冒頭陳述によると、鏑木被告は平成4年にヨーグルトのケフィア種菌の販売事業を始め、通信販売で業績を拡大。関連会社を多数設立し、農業法人や温泉施設の経営、金の採掘まで手掛けていた。

同社は当初、会員から出資を募って事業資金を集めていたが、22年に関東財務局が「有価証券の募集に該当する恐れがある」として2度にわたり警告。24年以降は客が買い取った商品を同社が第三者に販売し、購入額に5~10%の利息を上乗せするオーナー制度を導入して資金を調達した。

ただ、実際の商品の仕入れや第三者への販売実績はなく、29年5月には2億円超の客への未払い金が発生。顧客の減少が続く一方、一部社員に高額な給与を払い続けるなどしていた結果、未払い金は雪だるま式に増え続け、30年8月には約450億円に上り、債務総額は1千億円を超えたという。

事件をめぐっては、鏑木被告を含む同社幹部ら9人が起訴され、一部の有罪が確定している。

起訴状によると、幹部らと共謀し、29年4月~30年6月、延べ29人から違法に計約1億8千万円を預かった。また同年5~8月には、資金繰りが破綻状態に陥っていたのに出資金の元本や利息を支払うと装い、延べ26人から計約8800万円をだまし取ったとしている。