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コロナ禍で政治に関心高まる 若者の低投票率、脱却なるか

新型コロナウイルス禍で、学生生活に影響を受けた若者たちが政治への関心を高めている。選挙権が18歳以上となった過去3回の国政選挙では10代、20代の投票率は他の年代に比べ低調で、右肩下がりの傾向にもある。ポストコロナ社会を見据え、論戦を繰り広げる今回の衆院選が政治参加につながるか。政党や候補者の姿勢にも注目が集まる。(太田泰)

「家に閉じ籠もり、毎日のようにパソコンで課題をこなす日々がつらかった」。東京都大田区の早稲田大4年、森優津希(ゆつき)さん(22)は1年半以上続くコロナ生活をこう振り返る。家で過ごす時間が長くなるにつれ、以前よりもテレビや新聞のニュースを意識するようになった。海外の感染対策と比較する中で「政府の説明は納得感が欠けていたのでは」と思うようになったという。

これまでは政治への関心が薄く、国政選挙で投票したことはなかったが、「コロナ禍で政治の重要性が分かった。今回は、しっかりと具体的な政策を説明してくれる候補者に票を投じたい」

相模原市の山本愛弓(あゆみ)さん(18)は、今年4月に成城大に入学した1年生。当初からオンライン授業を余儀なくされ、「学生間の交流がなく、新しい友人づくりが難しかった」と悩みを打ち明ける。

初めて投票する機会を手にした今回の衆院選。数年後に迫った就職への不安が強まっており、「多くの企業が経営不振で採用人数を減らしていると聞く。コロナ対策と経済の両立を実現してほしい」と訴える。

コロナ禍以前の国政選挙で、10代と20代の投票率は低水準が続く。総務省の集計は一部に抽出調査を含むが、平成29年10月の衆院選の年代別投票率は10代40・49%、20代33・85%にとどまり、全年代平均の53・68%を大幅に下回った。

また、10代の投票率に限っても、国政選挙で初めて選挙権が18歳以上となった28年7月の参院選の46・78%が最も高く、令和元年7月の参院選では32・28%まで落ち込んでいる。

「若者が投票に行かないのは『見たい未来』というのが、まだイメージできていないからだと思う」と話すのは、東京都新宿区の東洋大1年、村上和輝さん(19)だ。

コロナ禍に加え、受験の際、大学入学共通テストで英語民間検定試験の導入が見送られた経験を踏まえ、「政治や大人への不信感は強かった」。今月31日の投開票日が迫る中、各政党の公約やポスターを注視しているといい、「どの候補者に投票するか、当日までしっかりと考えたい」と話す。

若者の投票行動などに詳しい麗澤大の川上和久教授(政治心理学)は「コロナの感染拡大という危機的な状況をどう解決するかを考えると、究極的には政治に行きつく。『自分たちで国の形を決めていく』という意識を、若者たちが持ちつつある」と分析する。

その上で「若者はインターネットで情報収集する傾向が強い。政党や候補者のネット戦略で、どれだけ政策を身近に感じてもらい、投票率につなげられるか。今回の衆院選はその試金石になる」と強調した。