長崎4区、自民ベテランが野党共闘候補と競り合い

公明党の選挙カーに乗り、支持を訴える自民前職候補=27日、長崎県佐世保市
公明党の選挙カーに乗り、支持を訴える自民前職候補=27日、長崎県佐世保市

投開票が31日に迫る衆院選で、長崎4区では閣僚経験のあるベテランの自民党前職と、野党共闘候補の立憲民主党新人が激しく競り合っている。自民前職は、公認問題で支持組織や団体にきしみが生じる。選挙協力する公明党の支援を頼み、支持を訴えている。

「自公連立与党はお互い助け合い、支え合い、導き合っている。小選挙区で応援いただいたご恩返しとして、比例区は公明党に投票いただきたい」

27日、長崎県佐世保市内で公明の選挙カーに乗り込んだ自民前職の北村誠吾氏(74)は、有権者を前に、約5分の演説で比例票を公明に投じるよう求め続けた。

隣に立った公明県議は集会後、「ここまで言っていただけたら(支持母体の)創価学会員も気持ちよく北村氏を応援できる」と満足げな表情を浮かべた。

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公明への過剰ともいえる配慮は、北村氏が今回、公示前に大きくつまずき、自民支持層を固めきれていないことが背景にある。

閣僚時代の不安定な国会答弁に加え、退任時の不用意な発言が地元で不興を買った。自民党長崎県連の選挙対策委員会は9月、北村氏ではなく、自民県議の瀬川光之氏を公認申請することを決めた。選対委員の投票では北村氏の12票に対し、瀬川氏が22票と大差がついた。

ところが、党本部は公示直前の10月15日、県連の意向を退け、北村氏を公認候補とした。その結果、瀬川氏は不出馬を表明して保守分裂は回避したが、選挙区内では「北村氏が岸田文雄首相が会長を務める岸田派(宏池会)所属だったから優遇された」との不満が残った。

公認決定後、北村氏は瀬川氏を支持していた県看護連盟や県農政連からも推薦を取り付け、公示後には瀬川氏が地盤とする選挙区内南部の西海市を回るなどして融和を図る。支持組織や団体を再び「一枚岩」とすることを目指すが、北村氏は周囲に「自民支持層の5割強が誰に入れていいか分からないとしている調査さえある。本当に恐ろしい。無所属で戦った選挙戦以上に苦しい」とこぼした。

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一方、立民新人の末次精一氏(58)は〝敵失〟に乗じて、選挙区での勝利を目指す。共産党が候補者擁立を見送ったことで野党共闘候補として臨む。

公示前の今月1日に社民党の福島瑞穂党首が選挙区入りし、公示後の24日には立民の蓮舫代表代行が駆けつけた。これまで自由党や生活の党から国政に挑戦してきた末次氏は、自身の後援会が持つ基礎票に加え、労組や政党の票が乗ると見込む。「野党共闘、それも野党第一党からの出馬は初めてだ。労働組合の支援もつき、共産も表立ってではないが、相当動いてくれている」と語る。

ただ、足元では、選挙区内での労組票の主力だった佐世保重工業の事業縮小に伴い組合員が減少している上に、共産を組んだ野党共闘へのアレルギーもあり、国民民主系の民間労組の動きは鈍い。

それでも末次氏は「私にとっては今回の選挙が(立民候補としての)スタート地点だ。労組の動きなどはマイナスにはならない。共産を含め、すべてがプラスだ。勝機はある」と強調している。

長崎4区には、いずれも無所属の萩原活氏(61)と田中隆治氏(78)も立候補している。(中村雅和)