中国外相、欧州訪問で「一部の国が『ひとつの中国』に挑戦」と牽制

中国の王毅国務委員兼外相=20日、北京(共同)
中国の王毅国務委員兼外相=20日、北京(共同)

【北京=三塚聖平】中国の王毅(おうき)国務委員兼外相は27日、訪問先のギリシャでデンディアス外相と会談し、「『一つの中国』原則に挑み、中国と欧州の政治的な相互信頼を破壊する一部の国のたくらみを警戒、阻止すべきだ」と述べた。欧州各国で台湾との関係強化の動きが出ていることを牽制(けんせい)した。

同じタイミングで台湾の呉釗燮(ごしょうしょう)外交部長(外相に相当)が東欧諸国を訪問している。王氏は、関係が良好なギリシャなどへの歴訪を通じ、欧州の台湾接近を引き留める考えとみられる。

王氏は会談で「中国と欧州はパートナーでありライバルではない」と述べた上で「欧州連合(EU)が戦略的な自主性を強めることを支持する」と強調した。対中包囲網の形成を進める米国に引きずられず、中国との関係を維持、強化するよう求めた形だ。

王氏は会談後の共同記者会見で、来年2月に開幕する北京冬季五輪に触れ「スポーツの政治問題化は五輪の趣旨をねじ曲げるものであり、共同で防ぎ止めるべきだ」と主張した。10月中旬にギリシャで行われた聖火採火式で、中国の人権侵害を批判する活動家が五輪ボイコットを呼びかけており、そうした反対論を念頭に置いた発言とみられる。