豪州、AUKUSへの懸念払拭図る ASEAN加盟国「軍拡につながる」と不安

27日、ASEANとのオンライン首脳会議に出席したオーストラリアのモリソン首相(中央)(ブルネイ政府提供、共同)
27日、ASEANとのオンライン首脳会議に出席したオーストラリアのモリソン首相(中央)(ブルネイ政府提供、共同)

【シンガポール=森浩】東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議をめぐる一連の関連会合では、米英豪による安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」も議題となった。ASEANの一部には、AUKUSを通じたオーストラリアの原子力潜水艦導入が「軍拡競争や緊張を引き起こす」との警戒感があり、豪州は懸念払拭に努めた。

豪州のモリソン首相は27日のASEANとの首脳会議で、AUKUSが「地域の安定と安全のための協力関係を強化する」などと説明。核不拡散に対する豪州の取り組みは変化しないと強調した。さらにASEANとの結びつきを重視する考えを強調し、1億2400万豪ドル(約105億円)の支援も表明した。

豪州にとって安全保障や通商面で中国と摩擦が続く中、距離的に近いASEANとは連携強化を図りたい局面だ。AUKUSについて丁寧に説明する姿勢を示し、関係深化の障害と化すことは避けたい思惑がある。

ただ、米中対立の激化を嫌気する一部加盟国には、対中牽制(けんせい)を念頭に置くAUKUSへの不信感は根深い。27日夜の東アジアサミットでは、マレーシアのイスマイルサブリ首相が、「軍拡競争や緊張を引き起こす可能性があり、地域、特に南シナ海の不安定化につながる」と発言した。別の会議ではインドネシアのジョコ大統領も「地域の対立に火をつける可能性がある」と憂慮する姿勢を示した。