茨城7区 「無敗」候補の野党入りで一変 陣営も票読み困難

「ガンバロー」コールで気勢を上げる茨城7区候補者の支援者=19日(谷島英里子撮影)
「ガンバロー」コールで気勢を上げる茨城7区候補者の支援者=19日(谷島英里子撮影)

自民党と立憲民主党、日本維新の会の3氏が立つ茨城7区(古河市、結城市、下妻市の一部、常総市、坂東市、八千代町、五霞町、境町)。「保守王国」茨城で長年、自民が議席を奪えない唯一の選挙区だ。当選14回で「無敗」を誇る立民前職の中村喜四郎氏(72)と比例復活が続く自民前職の永岡桂子氏(67)の対決が軸だが、中村氏の立民入りで支持基盤に変化が生じている。投票行動にどんな影響が出るのか両陣営とも見通せないでいる。

与党の組織力前面

「自公の安定が日本の今までを支えてきた」

公明党ののぼり旗も複数立つ街頭演説で永岡氏は、与党間の強固な連携をアピールしてみせた。亡き夫、洋治氏の後を継いで出馬して以来、選挙区では中村氏に5連敗し、比例復活に甘んじてきた。

だが、今回は風向きの違いを感じる。長らく保守系無所属だった中村氏が立民入りし野党の立場を鮮明にしたことから、中村氏を推薦してきた公明が永岡氏を推薦したのだ。

選挙区内の8首長も全て永岡氏を支援するほか、中村氏支援の県議会派を切り崩すなど「包囲網」の構築にも成功。新型コロナ対策でも「充実した医療体制を築き上げるのは、安定した自公政権だけ。7区から自民党の灯を消してはいけない」と政権与党の公認候補であることを強調する。

「党より人」期待

「党の世論調査で自民候補に3%遅れている。最初から遅れているのは初めてだ」。公示日の出陣式で中村氏は危機感を隠さなかった。自民党時代は「首相候補」とも呼ばれたが、平成6年のゼネコン汚職事件で逮捕され離党。その後は無所属で「無敗」を重ねた。

1強多弱にあぐらをかく古巣の自民を脅かす野党の存在が必要とし、昨年、立民入り。「日本再建のためには与野党を伯仲させるしかない」と力を込める。

これまで自民支持層を取り込んで勢力を維持し、公明との協力関係にも腐心してきた中村氏陣営。鉄の結束を誇る後援会「喜友会」の男性も「野党からの出馬だが『党より人』と中村を応援してくれる自民、公明支持者はいるはずだ」と期待する。永岡氏陣営でも「(長年、中村氏を支援した)公明票がどれくらいうちに流れてくるかは未知数だ」と話す関係者もいる。

野党共闘にかじを切り、中村氏支援に回った共産支持層と〝水と油〟の連合茨城の組織票、公明支持層に照準を定めた両陣営の争奪戦はぎりぎりまで続く。

世代交代を強調

公示4日前の出馬表明となった維新新人の水梨伸晃氏(42)は前職の2人を念頭に「世代交代」を掲げる。出陣式では「古い政治を必ず壊し、新しい政治をつくる」と訴えた。

教育費の完全無償化、生活に必要な最低限の金額を一律給付する「ベーシックインカム」の検討など党の公約を打ち出し、無党派層や子育て世代の取り込みに狙いを定めている。(谷島英里子、永井大輔)