「共謀に合理的な疑い」プレサンス前社長 無罪判決

【山岸忍被告会見】 判決後、記者会見する「プレサンスコーポレーション」の山岸忍前社長=28日午後3時25分、大阪市北区(沢野貴信撮影)
【山岸忍被告会見】 判決後、記者会見する「プレサンスコーポレーション」の山岸忍前社長=28日午後3時25分、大阪市北区(沢野貴信撮影)

学校法人明浄学院の資金21億円を横領したとして、業務上横領の罪に問われた東証1部上場の不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市)前社長、山岸忍被告(58)の判決公判が28日、大阪地裁で開かれ、坂口裕俊裁判長は無罪(求刑懲役3年)を言い渡した。

坂口裁判長は判決理由で「(山岸前社長が法人元理事長らと)共謀した故意があったと認定するには合理的な疑いが残る」などと指摘した。検察側が山岸前社長の共謀を立証する証拠の柱とした元部下の供述については、検察官が取り調べで圧力をかけた疑いがあるとして、真実と異なる可能性があると判断。証言の信用性を否定した。

判決などによると、法人元理事長の大橋美枝子受刑者(63)=同罪で懲役5年6月の実刑判決が確定=は平成28年3~4月、不動産会社を介して山岸前社長から18億円を借り入れ、その金で当時の理事らを買収。理事長に就任し経営権を握った。29年7月ごろには、プレ社がマンション用地として明浄学院高校の土地を購入するため、法人側に21億円の手付金を支出。この21億円を理事長に就いた大橋受刑者らが横領し、うち18億円を不動産会社を経由し山岸前社長個人への返済に充てたが、前社長による法人資金横領の故意は認定できないとした。

これまでの公判で、山岸前社長は一貫して無罪を主張。「魅力的な土地を確保するための巧妙な計画に加担した」とする検察側に対し、弁護側は「18億円は法人再建のための貸し付けと認識しており、犯意や共謀はない」と反論していた。

無罪判決後に会見を開いた山岸前社長は「適正な判決を出していただき本当にうれしい」と喜んだ。

大阪地検の八澤健三郎次席検事は「上級庁と協議の上、適切に対応する」とコメントした。