北海道寿都町長選、「核のごみ」調査推進派の現職当選

花束を掲げて当選を喜ぶ片岡氏(中央)=26日午後9時55分ごろ、寿都町の後援会事務所(坂本隆浩撮影)
花束を掲げて当選を喜ぶ片岡氏(中央)=26日午後9時55分ごろ、寿都町の後援会事務所(坂本隆浩撮影)

任期満了に伴う北海道寿都(すっつ)町長選は26日、投開票が行われ、無所属で現職の片岡春雄氏(72)が無所属新人の元町議越前谷由樹氏(70)を破り、6選を果たした。

20年ぶりとなった町長選挙は、原子力発電環境整備機構(NUMO)が進めている原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定をめぐる第1段階「文献調査」継続の是非が最大の争点だったが、わずか235票という僅差での勝利に片岡氏は「非常に複雑な思い。町民の理解が得られるよう勉強会などを開いていきたい」などと表情を引き締めた。

投票は午後6時で締め切られ、得票数は片岡氏1135票、越前谷氏900票、無効票23票。有権者数は2448人で、2058人が投票した。投票率は84・07%で、平成13年に行われた前回選挙より2・79ポイント下回った。

午後9時45分すぎ、支援者らが町内の後援会事務所前で待ち構える中、片岡氏が到着。大きな拍手の中で迎えられ、笑顔で感謝の思いを述べながら、花束を受け取り、万歳で勝利を祝った。

片岡氏は選挙戦について「核のごみという案件は大変厳しいものと感じた。5期20年、町の発展ために『稼ぐ行政』をしてきた。稼いだものは地域に返すという循環の中でやってきて、町民に支持していただけると思っていたが、自信過剰になっていたかもしれない。この結果に責任の重さを感じている。改めて原点から勉強しながら、(第2段階の)概要調査前には住民投票で皆さんの意見を聞いて判断させていただきたい」などと述べた。

片岡氏の勝利により、少なくとも来年秋まで文献調査が継続され、終わり次第、住民投票で第2段階の「概要調査」に対する住民投票で賛否を問うことになる。

一方、落選した越前谷氏は「力が及ばなかったのは私の責任。(文献調査に反対する)町民の声が900票もあったことを受け止めている」などと語った。

核のごみの最終処分場選定をめぐる調査を争点とした寿都町長選挙は、片岡氏が投票全体の55・2%を得たのに対し、反対派の越前谷氏は43・7%と僅差の結果となった。

片岡氏は、人口減少による地域経済の衰退への危機感を示す中、新型コロナウイルス感染拡大の影響で漁業や水産加工など地場の基幹産業が甚大な影響を受けていることや、地域振興につながる調査受け入れによる交付金が地域振興に寄与するとして、昨年10月に文献調査に応募。その後、国からの調査実施の申し入れを受諾した同じ後志管内の神恵内(かもえない)村とともに11月から調査が始まっている。

越前谷氏は2つの市民団体から強い要請を受け、「ふるさとに核のごみを持ち込ませない」ことを前面に立候補。選挙戦では「今の町財政は膨張(ぼうちょう)している。身の丈に合った財政規模にすることで交付金を受け取らずに将来にわたって安定した町政運営が可能」などと訴えていた。