経費不正詐取の近大元教授の初公判 一部無罪を主張

大阪地裁=大阪市北区
大阪地裁=大阪市北区

近畿大や大阪府警から不正に経費など計約9千万円を詐取したとして、詐欺と有印私文書偽造・同行使の罪に問われた同大医学部法医学教室の元主任教授、巽信二被告(67)の初公判が27日、大阪地裁(渡部市郎裁判長)で開かれ、府警から司法解剖の検査料をだまし取ったとする起訴内容について被告は「無実です」と否認した。近大から経費を詐取したとする起訴内容は「認めます」と述べた。

起訴状などによると平成27年から令和3年、医療品卸売会社元社員、藤戸栄司被告(53)=同罪などで起訴=らと共謀し、経費名目で近大から約3900万円を詐取したほか、司法解剖で実際には行っていない検査を実施したと偽り、府警から約5100万円をだまし取ったとしている。

冒頭陳述で検察側は、法医学教室での予算管理などは巽被告が一手に担っており、「被告を頂点とした組織だった」と指摘した。その上で取引先の社員だった藤戸被告に依頼し、ゴルフ用品などの私物購入費について、法医学教室に納入した医療用品と偽った請求書を用意させて近大に請求。藤戸被告が退職した後も、会社の偽造印などを使って経費の架空請求を繰り返していたとした。

府警に対しても、依頼された司法解剖で実際には実施していない毒薬物検査を行ったと偽るなどの手口で、検査料の不正請求を繰り返していたと主張。弁護側は府警への詐欺罪について「巽被告は詐欺の実行行為をしておらず、共謀もない」とした。

巽被告は約40年にわたって計5千件の司法解剖に携わるなど警察業務に貢献し、今年2月には、警察庁長官から民間人に対する最高位の表彰「警察協力章」(後に取り消し)を受けるなどしていた。