チーム学校

スクールポリス 強くやさしく治安守る用心棒

学校で起こるさまざまな事件を、校内に常駐する警察官「スクールポリス」が破天荒な手法で次々と解決-というのは小説やテレビドラマといった架空の世界での話。だが、非行やいじめ、薬物依存などの問題は現実の教育現場でも発生しており、学校と警察の連携は欠かせない。各地にはスクールポリスさながらに学校に出入りし、子供たちの安全や治安を守る警察官たちがいる。

午後3時半、大阪府守口市立さくら小学校の校門前。にぎやかに下校していく児童を、2人の警察官がにこやかに見守っていた。「さようなら」「自転車が来てるよ、気をつけて」

今年4月、2つの小学校を統合して開校した同小は、敷地内に交番が併設された全国でも珍しい学校だ。「子供の安全を高めてほしい」との地元住民の求めもあり、老朽化していた近くの大阪府警守口署大枝交番を移転させた。

敷地内に交番がある大阪府守口市立さくら小学校。警察官が温かいまなざしで下校する児童を見守る=10月11日午後(永田直也撮影)
敷地内に交番がある大阪府守口市立さくら小学校。警察官が温かいまなざしで下校する児童を見守る=10月11日午後(永田直也撮影)

登下校の時間帯には交番勤務の警察官が校門の横に立っており、守口署の大沢憲央(のりお)副署長(49)は「学校で万が一何かあれば、いち早く駆けつける」と説明する。

警察官と児童との距離は近く「その装備って何キロあるの?」「ピストルって本当に持ってるの?」など質問される機会も多い。2人は「この子たちを守るんだ、という強い気持ちで子供たちのいる時間帯は特に緊張感を持って警戒している」とほほ笑む。

「日本一安全な小学校」ともいわれ、学校側にとっても警察官のいる光景が日常になりつつある。広部孝徳校長は「防犯や日々の見守り活動で顔を合わせる機会が多くなった。おまわりさんは、子供を守るチームの一員」と話した。

広部校長によると、かつては校内でトラブルが起きても警察に通報することはほとんどなかった。だが今は「学校で抱え込まず、ささいなことでも相談できる」という。「おまわりさんは学校を守ってくれる存在。(児童を脅すための)『なまはげ』のような役割にするのはやめよう、と教員同士で常に気をつけている」とも話した。

古くから連携模索


文部科学省は、教員と教員以外の専門職が連携し、学校を中心に一つのチームとして子供たちをサポートするよう求めている。警察と学校は古くから連携を模索してきた。

例えば昭和38年に発足した「学校警察連絡協議会」(学警連)。少年非行の防止に取り組む組織として全国の警察署と小中高校で構成され、平成27年時点の調査では9割超の小中高校で設置されている。

だが、すでに14年、警察庁と文科省が組織の形骸化を指摘している。「署長と校長が主たる構成員である場合は、具体的な情報交換や議論の場になりにくい」というのが主な理由だ。その後、より実効性のある連携にする工夫が、各地で続けられている。

巡回し相談、好影響

そんな中、現職警察官が中学校内を巡回し、生徒に声をかける取り組みを26年から続けているのが岡山県警だ。

県警少年課内に「学校警察連絡室」を設置するとともに、対象となる中学校を選定。連絡室に所属する警察官が制服を着用して校内を巡回し、教室の外にいる生徒に声をかけたり、隠れて喫煙する生徒を指導したりしている。

対象となった中学校の教員は「何事も親身に相談に乗ってくれるので、教員も生徒も精神的に安定した」と効果を実感。日ごろから連携しているため、臨機応変に非行防止教室を開くなど、タイムリーな指導ができているという。岡山県は24~26年、10~19歳の千人あたりの刑法犯少年の割合(非行率)が全国ワースト1位だったが、こうした取り組みで改善した。

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