ヤクルトV 見つけた投打の「最適解」 再生と適材適所の高津采配

【プロ野球DeNA対ヤクルト】高津臣吾監督=横浜スタジアム(撮影・今野顕)
【プロ野球DeNA対ヤクルト】高津臣吾監督=横浜スタジアム(撮影・今野顕)

セ・リーグで6年ぶり8度目の優勝を果たしたヤクルト・高津監督の采配の妙は「再生」と「適材適所」の2点に集約される。

昨季のチーム打率はリーグ最低の2割4分2厘、得点も同5位の468。トリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)3度の山田、球界を代表する長距離砲に育った村上を主軸に据えながら、村上との勝負を避けられた後の打線が迫力を欠いた。

高津監督は村上の後を打つ「顔」に手を加えた。広角に打てるうまさと長打力のある新外国人オスナ。秀でた選球眼に小細工もできる中村。もう一人の助っ人サンタナ。7月以降はほぼこの3人で5~7番を固め、下位打線の厚みを築いた。杉村打撃コーチは「固定したのが一番よかった」。リーグ最多612得点(25日現在)の隠れた主役だ。

采配は投手陣のやりくりでもさえた。25日時点で2桁勝利も、規定投球回数に達した投手もいない。先発は5回を目安に全力で投げる。後は小刻みな継投で、八回は清水、九回はマクガフ。小差のリードを守る布陣を整え、昨季4・61でリーグ最低だった防御率は3・46(25日現在)へ劇的に改善した。

調子が上がらない抑えの石山を中継ぎへ配置転換する際、指揮官は「時間が解決するだろうけど、時間を無駄にしないのが大事だ」と言葉をかけた。現役時代は同じクローザーとして苦悩した人の気遣いに「それでも使ってもらえることを意気に感じた」と石山。

先発で精彩を欠いた田口やスアレスも中継ぎへ回すなど、誰一人腐らせぬ用兵に選手も応えた。「みんながつないでくれたものをきちんと(後に)つなぐ。その思いでやっている」。17日にシーズン最多記録の48ホールド目をマークした清水は救援陣の気概を誇らしげに語った。

投打の〝最適解〟を探り当てた指揮官と、個々が持ち場で力を発揮した選手たち。再生と適材適所の先に6年ぶりの栄冠が待っていた。(五十嵐一)

>ヤクルト、混戦制して優勝 セ・リーグ6年ぶり8度目

会員限定記事会員サービス詳細