2021年度の文化勲章の受章者に26日、戦後の高度成長期に日本を代表するスーパースターとしてプロ野球巨人で活躍し、現在は巨人の終身名誉監督である長嶋茂雄さん(85)が選ばれた。
「野球での初受章はなんとも言えない気持ちでいっぱいです。野球界のみならず、日本のスポーツも全般的に盛り上がっていけばいいと思います」
受章の知らせを受けた長嶋茂雄さんの言葉である。
親授式では天皇陛下から直接授与されるという。陛下とは皇太子時代の平成4年12月、東京・目白の和食店で野球談議をしている。「ぜひ話を聞かせてほしいということでお会いさせていただきました」。約20分間、熱く語り合った。昭和から令和へ縁が続く皇室との〝長嶋伝説〟がある。
長嶋家のリビングルームに、1枚の写真が飾られている。昭和天皇の前で直立不動の長嶋さん。昭和天皇から「あのホームランは良かったですね。これからも、国民を喜ばせてあげてください」と言葉をかけられたという。昭和40年、午餐(ごさん)会に招かれたときのツーショットと聞いた。「緊張して、ハイと答えるのが精いっぱいでした」。長嶋家の家宝になっている。