私はこうみる 衆院選

日韓関係改善は望み薄 ソウル大国際学研究所 朴喆煕所長

ソウル大国際大学院教授、朴喆煕(パク・チョルヒ)国際学研究所長=10月21日、ソウル市内
ソウル大国際大学院教授、朴喆煕(パク・チョルヒ)国際学研究所長=10月21日、ソウル市内

政権基盤の安定は、日韓外交において大変重要だ。衆院選で自民が公明と合わせて安定多数を確保できるかどうか、まず注目している。また、3回生以下の若手の結果次第で、自民党内の派閥構成も変化するだろう。岸田文雄首相が「安倍(晋三元首相)、麻生(太郎前財務相)体制」と異なる政策を示す素地ができるか、関心を持っている。

ただ、「タカ(強硬派)の背に乗って飛ぶハト(穏健派)」という党内の構図が大きく変化することはないだろう。韓国も来春の大統領選を控え、対日政策が失点にしかならない状況だ。懸案解決への動きは双方とも当面起こりづらい。

現状を放置すれば、徴用工問題で敗訴した日本企業の資産現金化を迎えることになるが、政治環境や双方の指導者に解決への意欲がない現状を踏まえれば未然に防ぐことは望めない。

先に韓国が動くべきであり、文在寅(ムン・ジェイン)政権の任期内の取り組みが、国内の市民団体の反発を軽減する意味でも重要だが、文大統領にその意思はない。日本側も、次期大統領が誰であれ「日本は何もしないので韓国側のみ適切な措置をとれ」という態度では、解決はないと認識すべきだろう。

両国にとって歴史問題は慢性疾患のようなもので、「完治」しなければ他の問題に取り組まないというのは戦略的でも実利的でもない。互いを刺激せず上手に管理する道を探るべきだ。

懸案解決が当面望めない中、岸田政権に求めるのは日韓間の人的交流を段階的に再開させることだ。両国は新型コロナウイルスの感染状況も改善し、韓国側は「相互主義」に基づき対応する準備ができている。地域経済の活性化は喫緊の課題であり、国民同士が直接顔を合わせれば互いの国に対する世論も自然に変化していくだろう。(聞き手・ソウル 時吉達也)