日本国内で繁殖する鳥類のうち、過去約20年間でガビチョウなどの外来種の分布域が広がる一方で、ツバメやスズメといった身近な鳥の数が大きく減っていたことが25日、全国2100人超のボランティアが参加した鳥類調査で分かった。山階鳥類研究所(千葉県我孫子市)や環境省生物多様性センター(山梨県富士吉田市)などでつくる鳥類繁殖分布調査会が発表した。
調査は平成28~令和3年、全国2344地点で実施し、379種の鳥類を確認。過去の調査と比較可能な1947地点について分析した。
外来種のガビチョウが確認された場所は、環境省が1990年代に行った調査では15地点だったが、今回は211地点で大幅増加。同じく外来種のソウシチョウも48地点から200地点に増えた。両種とも、現在は特定外来生物に指定され飼育が禁じられている。
農地など開けた場所を利用するツバメやスズメの個体数は大きく減少。90年代調査で約3万1千羽確認されたスズメは今回約2万1千羽に、ツバメも約1万5千羽から約9千羽に減った。