文化勲章

「疑問はとことん追究を」 京都大・森重文特別教授(70)

文化勲章に選ばれ、喜びを語る京都大の森重文特別教授=京都市左京区の京都大
文化勲章に選ばれ、喜びを語る京都大の森重文特別教授=京都市左京区の京都大

「数学の重要性を評価いただきありがたい」。文化勲章決定の知らせに、京都大特別教授ので数学者の森重文さん(70)は晴れやかな表情で喜びを語った。

三次元の代数的な図形の構造を解明する鍵となる「極小モデル理論」を提唱。1990年には数学のノーベル賞とされるフィールズ賞を受賞した。「森理論」とも呼ばれ、分子の形状の研究など幅広い分野に応用されている。「30年間で理論が実用レベルまで発展し、非常に感慨深い」と振り返る。

数学への道へ進むきっかけは小学生のときだった。塾でご褒美のケーキ目当てに問題を解くと、「正解は自分だけ。数学ができるかもしれないと思った」。

大学では、講義を受けた数学者の広中平祐(へいすけ)氏に質問した際、図形をさっと書いて説明されたことで、図形の説得力に魅了された。

集中しているときよりも、食事中など気が緩んだときに、アイデアが浮かんでくるという。研究で大切なのは粘り強さ。「疑問を持ったら安易な解決策を求めずに、とことん追究して」と次世代にエールを送る。