文化功労者に豊竹咲太夫さん 一言一句にこだわり続け

文化功労者に選ばれ、喜びを語る文楽太夫の豊竹咲太夫さん。2年前の人間国宝認定に続く栄誉となった=大阪市中央区(安元雄太撮影)
文化功労者に選ばれ、喜びを語る文楽太夫の豊竹咲太夫さん。2年前の人間国宝認定に続く栄誉となった=大阪市中央区(安元雄太撮影)

26日に発表された令和3年度の文化勲章、文化功労者。文化功労者に選ばれた人形浄瑠璃文楽太夫、豊竹咲太夫さん(77)は2年前の人間国宝認定に続く栄誉。「もう少し頑張りなさいと励ましをいただいた感じがしています」と、文楽太夫の第一人者はやわらかな口調で喜びを語った。

輪郭の大きな語り、深い解釈、卓越した技量で、時代物から世話物まで幅広く活躍する。父の八世竹本綱太夫(たけもと・つなたゆう)も人間国宝だったが、「(文化功労者は)父がいただいていなくて僕が初めていただけたもの。大変うれしく思っております」。

転機は平成10年に挑んだ「仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)・山科閑居(やましなかんきょ)の段」。1時間半以上におよぶ文楽屈指の大曲を1人で語り切り、自信につながった。病に苦しんだ時期もあったが、乗り越えられたのは「これしかやることがなかったから」。心底この世界に魅せられている。

一言一句もおろそかにしない。「この『か』は疑問の『か』なのか、悟った『か』なのか、考え抜きます」と語る。「自分は一歩引いて、クリーンアップを打てる太夫のスターを育てたい」。野球になぞらえて使命を語った。(亀岡典子)

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