2030年の温室効果ガス、16%増 国連が報告書公表

中国山西省の石炭処理工場から立ち上る煙や蒸気=2019年(AP)
中国山西省の石炭処理工場から立ち上る煙や蒸気=2019年(AP)

国連気候変動枠組み条約事務局は25日、各国が12日までに提出した温室効果ガスの削減目標を分析した最新版の報告書を公表した。現状の削減ペースだと2030年の排出量は10年比で16%増えると指摘。気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」が目指す水準に届かず、エスピノサ事務局長は各国に一層の努力を求めた。

パリ協定は産業革命前と比べた世界の気温上昇を2度未満、できれば1・5度に抑えることを目指す。2度未満にするには30年の排出量を10年比25%、1・5度に抑えるには45%減らす必要があるとされる。報告書は現状の削減ペースのままなら上昇幅は2・7度に達するとした。

エスピノサ氏は声明で「パリ協定の目標を超える気温上昇を防ぐには、各国は至急努力を倍加しなければいけない」と指摘。31日に英北部グラスゴーで始まる第26回締約国会議(COP26)の期間中を含め、いつでも削減目標を提出・更新できると呼びかけた。

事務局によると、近年、温室ガス排出が増えている中国とインドは16年に削減目標を提出後、更新していない。1・5度の上昇でも熱波や豪雨、干魃(かんばつ)の発生頻度が高まると懸念されており、英国のシャーマCOP26議長は「最大の排出源である20カ国・地域(G20)のより強い関与」が鍵を握るとの認識を示した。

事務局は9月の国連総会一般討論演説に先立ち、各国が7月末までに提出した目標を分析した報告書を公表していた。短期間で最新版を発表したのはCOP26を活性化させるためだ。新たに提出・更新された143の国と地域の目標を加味したが、結果は同じで、エスピノサ氏は「残念だが、(温暖化が進む)傾向は変わっていない」と述べた。

ロイター通信によると、これらの国や地域には全体の排出量に占める割合の少ない小国が多かった。(ニューヨーク 平田雄介)