野党一本化で自民苦戦 勝敗の帰趨決する接戦区47

産経新聞社がFNN(フジニュースネットワーク)と合同で23、24両日に実施した衆院選情勢調査で、自民党は単独過半数を維持しそうな情勢だが、苦戦していることをうかがわせる結果となった。立憲民主、共産など野党5党にとって、全289選挙区のうち約7割の213選挙区で候補者を一本化し、135選挙区で事実上の与野党一騎打ちに持ち込めたことが奏功したといえる。野党側は自民を単独過半数割れに追い込みたい考えで、接戦区を中心に攻防は激化しそうだ。

調査結果によると、213選挙区のうち、自民または公明の与党候補が優勢なのは約4割の90選挙区、野党5党の統一候補が優勢なのは3割弱の60選挙区に上った。共産が統一候補となっている39選挙区の多くは戦績が芳しくない。与党系候補と統一候補の接戦区は約2割の47に上り、ここでの結果が勝敗の帰趨(きすう)を決することになりそうだ。

事実上与野党一騎打ちとなった135選挙区では、与党または与党系無所属が約半分の66選挙区で有利な戦いを進めている。統一候補または野党系無所属がリードしているのは39選挙区だが、接戦区は30もあり、最終盤まで選挙戦の行方は見通せていない。

日本維新の会を含む三つどもえの戦いとなっている69選挙区では、無所属を含む与党系候補と野党系候補(維新を除く)が、それぞれ21選挙区で優位に立っており、互角の戦いを展開している。

野党第一党の立民にとって共産との共闘は非自民の保守票や浮動票を取り逃す可能性があるため、一つの賭けではあったが、共産は1選挙区に平均2万票程度あるとされ、効果が出ているのは間違いない。

これに対し、5野党から複数の候補者が出ている選挙区では、与党候補が優勢なのは56選挙区。野党5党側の候補が優位な戦いを進めているのは、わずか4選挙区だった。反自民票の受け皿が分散化すれば、与党に太刀打ちできない現実がうかがえる。

平成29年の前回衆院選では、東京都の小池百合子知事が希望の党を立ち上げ、野党第一党だった旧民進党は希望と立民などに分裂した。野党系の候補は乱立し、与党は憲法改正の国会発議が可能となる3分の2(310議席)を超える議席を獲得した。今回は大きな再編の動きもなく、野党間で候補者調整を進めやすい環境が整っていた。(坂井広志)

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