村上茉愛、有終V「金メダルは最高のご褒美」

女子種目別床運動で金メダルを獲得した村上茉愛=北九州市立総合体育館(代表撮影)
女子種目別床運動で金メダルを獲得した村上茉愛=北九州市立総合体育館(代表撮影)

体操の世界選手権最終日は24日、北九州市立総合体育館で種目別決勝後半が行われ、女子の床運動で東京五輪銅メダルの村上茉愛(まい)(日体ク)が14・066点を出し、2017年大会以来2度目の世界一に輝いた。村上は演技後に現役引退を表明した。

20年以上に及んだ村上の体操人生は世界の頂で終幕を迎えた。種目別床運動の金メダリストは試合後、「今日で引退します。金メダルは最高のご褒美。良い形で終われた」と晴れやかな表情で言い切った。

平均台で銅メダルを獲得した後に迎えた床運動決勝。観客の拍手に乗って丁寧に演技した。突き出した右手を力強く握りしめてフィニッシュ。涙が光る瀬尾京子コーチと抱き合った。

得点は最初、暫定2位の13・966点と表示されたが、審判にDスコア(演技価値点)の再審議を求めると、14・066点に訂正されて首位だったメルニコワを逆転。今季、「優勝に近づきたい」と、Dスコアを取りこぼしにくい構成で演技を作り上げてきたことが有終の美につながった。

年を重ねるにつれて故障が増えた。腰痛を悪化させた2019年に「引退」を意識し、昨季の新型コロナウイルスの自粛期間が明けたころから「終わりを決めて頑張ろう」と思うようになったという。無観客開催の東京五輪では終われなかった。有観客の今大会で、母の英子さんをはじめ、多くの人に自分の演技を直接、目に焼き付けてもらいたかったからだ。

五輪と世界選手権で獲得したメダルは計6個。トップを走り続けてきた25歳は「『日本の女子はどうせ駄目だろう』という見方を覆せたと思う。選手もみんな『メダルを取りたい』と前を向いてくれるようになってうれしい。これから私が手助けして、たくさんメダルを取らせてあげたい」。道を切り開いた経験は、きっと体操界の大きな財産になる。(宝田将志)