サッカー通信

神様、仏様、埼スタ様⁈ W杯出場へ、サッカー協会が勝率8割のホーム使用を熱望

W杯アジア最終予選のオーストラリア戦で勝ち越しのゴールが決まり、歓喜する吉田麻也(右から3人目)ら日本代表の選手たち。このゴールが生まれたのも埼玉スタジアムの北側だった=12日、埼玉スタジアム(福島範和撮影)
W杯アジア最終予選のオーストラリア戦で勝ち越しのゴールが決まり、歓喜する吉田麻也(右から3人目)ら日本代表の選手たち。このゴールが生まれたのも埼玉スタジアムの北側だった=12日、埼玉スタジアム(福島範和撮影)

神様、仏様、埼玉スタジアム様⁈ サッカーの2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会アジア最終予選で崖っぷちに立たされている日本が、来年1~3月に行われるホーム3試合でW杯予選勝率8割超えの埼玉スタジアム(埼玉県さいたま市)での開催を熱望している。ただ、同時期に芝の張替え工事が予定されており、会場は現時点で未定。7大会連続のW杯出場権獲得へ、日本サッカー協会は「なんとかできないか」と〝聖地〟での開催を目指している。

「私も、選手たちも、監督も、埼スタでやりたい気持ちが一番強い。今は工事の日程が入っていると聞いているが、何とかできないかお願いしていきたい」

埼玉スタジアムで行われた12日のオーストラリア戦で日本が劇的勝利を収めた翌日、日本協会の田嶋幸三会長はオンライン取材で切実な思いを訴えた。日韓共催で行われた02年W杯のために建設された埼玉スタジアムは、過去幾度となく「奇跡の瞬間」を生み出してきたからだ。

劇的ゴールとして名高いのは、04年2月の1次予選オマーン戦(1-0)。途中出場の久保竜彦が後半ロスタイムに決勝点を流し込んだ。05年2月の最終予選北朝鮮戦(2-1)では、途中出場の大黒将志がこれまた後半ロスタイムに決勝点。16年10月の最終予選イラク戦(2-1)では、試合終了間際の後半50分に山口蛍がダイレクトボレーを突き刺した。

そして12日のオーストラリア戦(2-1)は、後半41分に途中出場の浅野拓磨(ボーフム)のシュートが相手のオウンゴールを誘発。最終予選3戦ですでに2敗を喫し、崖っぷちだった日本を救う〝値千金〟の一発になった。

W杯予選に絞ると通算21勝1敗3分け。勝率は84%にも上る。要因の一つに、国内最大のサッカー専用スタジアムであることが挙げられる。ピッチと観客席の距離が近く、サポーターの応援が選手に届きやすい。最大6万3700人を収容でき、「敵陣にボールが入れば、それだけで大歓声が起きる。日本選手にとってはファンの熱気が体を動かすし、対戦相手にとっては圧力に感じるのでは」と協会関係者。

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