中国でコロナが再拡大 冬季五輪控えて北京緊張

湖北省武漢市でPCR検査を受ける市民ら(新華社=共同)
湖北省武漢市でPCR検査を受ける市民ら(新華社=共同)

【北京=三塚聖平】中国で、新型コロナウイルスの感染が再拡大している。秋の観光シーズンのため旅行客から市中感染が広がり、中国メディアによると25日までに11の省・直轄市・自治区で確認。1日当たりの全国感染者数は数十人規模とはいえ、感染拡大を許さない「ゼロコロナ」政策を掲げる中国では緊張が高まっている。

中国メディアによると、今回の感染拡大は陝西省西安で16日、上海から来た旅行客の夫婦がPCR検査で陽性と判断されたのが最初だった。2人は甘粛省や内モンゴル自治区も訪れていた。各地で大規模な検査が行われ、相次ぎ感染者が確認された。

24日までに確認された市中感染は、中国本土全体で150人超。国家衛生健康委員会の25日の発表によると、24日には全土で30人超の市中感染者を確認。同委は、感染力の強いデルタ株だと結論付けた。

北京でも市中感染者が確認されており、一部地域が封鎖された。北京市当局は24日、市中感染者が出ている地域に滞在歴がある市民に対し、当面は北京に入らないよう求める措置を表明した。今月31日に2年ぶりの開催を予定していた北京マラソンの延期も決めている。

北京では、来年2月に冬季五輪の開幕を控えている。来年秋の共産党大会で異例の長期政権実現を目指す習近平総書記(国家主席)は、冬季五輪の成功で求心力を高めたい考えとみられ、大会の円滑開催に向け関係者の緊張は余計高まっているようだ。

中国では今秋以降、デルタ株の感染拡大が広東、江蘇、福建の各省などで散発的に発生。そのたびに厳格な移動制限などを行い流行を押さえ込んでいるが、中国経済への悪影響も懸念されている。