日本、目標達成へ排出量取引制度の合意目指す

首相官邸=東京都千代田区
首相官邸=東京都千代田区

令和12(2030)年度の温室効果ガス排出量を平成25(2013)年度比で46%削減する目標と「2050年カーボンニュートラル」の達成を掲げる日本にとって、COP26での議論は極めて重要だ。削減の一翼を担う排出量取引(市場メカニズム)の仕組みを規定する「パリ協定第6条」の実施ルールで合意できなければ、46%削減の達成は苦しい道のりになるためだ。

「COP26で各国が(気温上昇を1・5度に抑える目標の達成のため)野心を高めなければならないし、日本は(議論を)リードする立場だ。6条の妥結に道筋がつくようにしたい」。環境省幹部はこう意気込む。

6条は、他者の二酸化炭素排出削減量を自分の削減量に算入できるよう「クレジット化」して国際間取引を行う際に、透明性確保のための管理方法や手続きなどを定める規定だ。成立すれば、国際調達したクレジットを自国の排出削減目標の達成に活用できる。

ただ、クレジットの適用範囲や取引量に応じた支援金拠出の制度導入など、詳細な実施ルールで対立があり、パリ協定の中でも合意できずに積み残されてきた。

日本は、パリ協定に先駆けて展開している2国間クレジット制度(JCM)の経験をもとに、6条に積極的に関与。22日決定した地球温暖化対策計画でも、令和12年度までにクレジット1億トンを確保して削減分に充当する方針を示しており、6条発効は必須課題となっている。

さらに、6条が成立すれば民間の炭素市場も活発化するとの見方もある。経団連は21日発表した「COP26に向けた提言」の中で日本政府に対し、意見が対立する先進国と途上国・新興国との橋渡し役を求め、排出量取引が海外展開する日本企業にとって排出削減に取り組むインセンティブ(動機づけ)として重要だと指摘。COP26での合意を追求すべきだとする。

国際協調と国益の両立がどこまで図れるのか、日本の環境外交力が試されている。(日野稚子)