米、COP26に閣僚ら十数人派遣へ 中国に対抗し主導権狙う

バイデン米大統領(AP)
バイデン米大統領(AP)

【ワシントン=塩原永久】バイデン米大統領は英国での国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に、十数人もの閣僚や高官を引き連れて参加し、世界の取り組みを主導する姿勢を示す。主要国に対策強化を訴え、途上国支援も打ち出して国際的な機運を高めたい考え。先端技術や産業競争力を左右する環境対策のルール整備で主導権を握り、中国に先行する狙いもあるとみられる。

米メディアによるとバイデン氏は、ブリンケン国務長官やイエレン財務長官ら主要閣僚を含む十数人の高官を伴って訪英する。バイデン氏は11月1~2日にCOP26に参加し、演説などの日程をこなす。

米国が大型派遣団を組むのは「政府一体で気候危機に対処する方針」(米CNNテレビ)を示すためだ。

バイデン政権は環境対策を優先課題に据え、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」を脱退したトランプ前政権からの転換をアピール。米国は温室効果ガス排出量を2030年までに05年比で50~52%減らす削減目標の強化を表明したが、中国を含む主要排出国にも目標引き上げを促す。

バイデン政権は、温暖化による海水面上昇などの打撃を受けている島嶼(とうしょ)国や、財源難の新興国への資金支援を増強する方針だ。途上国地域で開発融資を通じ存在感を高める中国に対抗する。COP26への派遣団には海外援助機関トップも入る。

米政府は21日、気候変動が国家安全保障に及ぼす影響を分析した報告書を公表した。温暖化による食糧・資源の争奪や、環境エネルギー技術をめぐる競争が激化して、国家間の摩擦要因になる恐れを指摘した。

COP26では企業活動に影響するパリ協定の実施ルールも討議される。米政権として温暖化対策の制度設計を主導し、環境問題をめぐる大国間競争を優位に運ぶ思惑もありそうだ。