選挙区を歩く 東京12区

公明「世代交代」の波紋

3候補者の選挙ポスターが並ぶ東京12区の掲示板=20日、豊島区(浅上あゆみ撮影)
3候補者の選挙ポスターが並ぶ東京12区の掲示板=20日、豊島区(浅上あゆみ撮影)

大物議員の勇退で波乱が予想される東京12区(北区、豊島・板橋・足立各区の一部)。自公連立の象徴として当選を重ねてきた公明党の太田昭宏氏(76)の後任として、同党の衆院議員、岡本三成氏(56)が比例北関東ブロックから転出し、「世代交代」を掲げる。一方、野党はこれを好機ととらえ、共産党元職の池内沙織氏(39)に一本化。さらに日本維新の会は新人の阿部司氏(39)を擁立し、保守層の受け皿となることを狙っている。

21日午前、区立王子駅前公園(北区)で行われた岡本氏の街頭演説に、自民党の小泉進次郎前環境相が駆けつけた。公園を埋め尽くすほどの聴衆に対して、小泉氏は自公連立の実績を強調、与党の自信を見せた。だが、ある公明関係者は「岡本さんは地元でほとんど無名。本人も分かっているが、厳しい戦いになる」と不安をのぞかせた。

牙城引き継げるか

12区は長らく「公明党というより太田党」(公明関係者)とさえ呼ばれる「公明党の牙城」とされてきた。太田氏は平成5年に北区を含む旧9区で初当選し、小選挙区制の下では12区で5回勝利。党代表や国土交通相などを歴任した。令和元年5月、公明は太田氏の選挙区立候補の見送りを発表し、岡本氏が後継者に決まった。

だが、公明の動きに自民側から「12区を返してほしい」との声が上がった。12区は太田氏の前に自民の八代英太氏が議席を持っていたためで、元北区選出の自民都議で衆院比例東京ブロックの高木啓氏(56)の転出が地元から要望されるなど〝ひと悶着(もんちゃく)〟もあった。

太田氏は、岡本氏の後継者アピールに奔走。地元の祭りや町会の総会など、岡本氏を連れて出席したイベントは200を数える。しかし、新型コロナウイルス禍で対面での政治活動が制限されてからは、新人の知名度向上は厳しい状況となっている。それでも太田氏の後ろ盾は大きく、「太田さんの牙城は崩されないのではないか」と公明関係者はみる。

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