立共「閣外協力」、衆院選で食い違い鮮明

立憲民主党の枝野幸男代表と共産党の志位和夫委員長は9月末、立民が政権を取った場合は共産が「限定的な閣外からの協力」を行うことで合意した。だが、合意の解釈をめぐり、衆院選では両党の思惑の違いが鮮明になっている。立民は、合意により共産と政権を組まないと明確に線引きしたという認識だが、共産は「政権合意」と位置付け、攻勢をかけている。

枝野氏は産経新聞などのインタビューで、合意の意味合いについて問われ「閣内や、狭い意味での閣外協力はないと明確にした」と語り、政府提出法案の事前審査にも共産を参加させない考えを示した。

両党を含む野党4党は9月8日、市民団体を介して「コロナ禍に乗じた憲法改悪に反対」など20項目の共通政策を締結した。枝野、志位両氏の合意は20項目を推進する範囲での「限定的」な協力をうたうものだ。20項目には日米同盟への言及はない。枝野氏は合意により「日米同盟や天皇制など(を否定する共産と)の違いは、私の政権には持ち込まないことが明確になった」と強調する。

10月18日の日本記者クラブ主催の党首討論会では「基本的には単独政権を担わせていただく」と述べ、共産色を薄めようと躍起だ。

一方の共産は「独自の政策や立場を政権に持ち込むことはしない」(小池晃書記局長)としているものの、政権をともにするというアピールが目立つ。志位氏は19日の公示日第一声から「野党共闘の力で新しい政権を作る」と熱量全開。22日の広島市での街頭演説では合意について「『限定的』といっても、まさに日本を変える政策で協力しようという政権合意ができた」と強調した。

23日の東京・新宿での街頭演説会では「豊かな(内容の)20項目を一緒になってやろうという立派な合意といえる」「新しい政権を作ろう」と熱弁した。同じ演説会に参加した枝野氏は合意や共闘に一言も触れなかった。

与党側は「立民と共産の組み合わせに負けたら、日本は再び悪夢のような時代に逆戻りしてしまう」(安倍晋三元首相)などと批判を展開している。(田中一世)