自民党新人と国民民主党前職が激しく議席を争う衆院選(31日投開票)長崎1区で22日、両党の大物同士が火花を散らした。自民は安倍晋三元首相が自身の秘書を務めた新人の応援でマイクを握り「絶対に負けるわけにはいかない」と訴えた。国民の玉木雄一郎代表は、公示後、早くも2度目の同区入りで「傷ついた政治の信頼を回復させる」と前職の支援に熱を上げた。
「経済をV字回復させていくためにも若い力が必要だ」
安倍氏は同日夕、長崎市の中心部、浜町アーケード側に架かる鉄橋の上で声を張り上げた。隣には元秘書で自民新人の初村滝一郎氏(42)が並んだ。
初村氏は安倍氏の秘書を18年間務め、地元長崎から出馬した。安倍氏は初村氏について「政策秘書として政策を磨きながら、大きな志、勇気を持って立候補を決意した」と紹介した。
今回の衆院選は「過半数が守れるかどうか、大変厳しい戦いだが、絶対に負けるわけにはいかない」と強調。立憲民主党や共産党などの野党共闘を批判した上で「長崎1区の相手は国民民主だが、ここで勝てるかどうかが大切だ」と力を込めた。
知名度不足が課題の初村氏だが、陣営は「安倍元首相の来援で勢いが出る。遠くにあった相手の背中がだんだん近づいてきた」と活気付く。
安倍氏の街頭演説からさかのぼること約6時間。同じ場所では玉木氏が、国民前職、西岡秀子氏(57)の応援で熱弁をふるっていた。
「今日は安倍元首相が入ると聞いているが、ここで勝たなければ新しい政治をつくることはできない」