参院静岡補選に与野党注力 衆院選の前哨戦

記者会見する岸田文雄首相=14日、首相官邸(代表撮影)
記者会見する岸田文雄首相=14日、首相官邸(代表撮影)

24日投開票の参院静岡、山口両選挙区の補欠選挙は、岸田文雄政権にとって初の国政選挙となるだけでなく、衆院選(31日投開票)の前哨戦とも位置づけられている。特に注目を集めるのは接戦の静岡で、自民党にとっては先の知事選で推薦候補が野党系の現職に大敗した因縁の地だ。岸田首相が2つの補選とも勝利を収めることができるかどうかは、「選挙の顔」としての実力を測る機会ともなる。

3新人が争う静岡補選では、与野党の幹部が続々と現地に入り、応援に熱をあげている。22日は立憲民主党の枝野幸男代表と国民民主党の玉木雄一郎代表、連合の芳野友子会長が静岡市でそろって街頭演説に立った。

玉木氏は、衆院選の野党共闘で一線を画す枝野氏の横で「3人でそろうのは最初で最後かもしれない。日本一、大切な選挙だ」と語りながら、両党が推薦する無所属の元県議、山崎真之輔氏(40)への支援を求めた。

野党にとって強い援軍となっているのが、川勝平太静岡県知事の存在だ。6月の県知事選では自民推薦の新人を大差で破って4選を果たし、今回も立民と国民民主の推薦候補を積極的に支援している。自民重鎮は「厳しい戦いだ。とにかく知事だ」と警戒を強める。

一方、首相にとっても静岡は負けられない戦いだ。岸田派(宏池会)で事務総長を務め、一昨年に死去した望月義夫元環境相の地盤でもあり、思い入れは強い。首相就任から4日目となる告示日には初出張として静岡市に乗り込み、自民が公認した元御殿場市長、若林洋平氏(49)=公明推薦=の街頭演説に臨んだ。21日も浜松市内で「即戦力として大いに期待している。押し上げていただきたい」などと支援を訴えた。

自民は菅義偉前政権下で行われた4月の衆参3つの選挙で全敗。8月には菅内閣で国家公安委員長を務めた小此木八郎氏が横浜市長選で大敗し、党内では「菅降ろし」の機運が高まった。

悪い流れを断ち切れなければ、就任したばかりとはいえ、不満は首相に向かう可能性もある。現職閣僚は「何としても補選で2勝し、勢いに乗って首相(の手)で衆院選を勝たせてあげたい」と語る。

静岡補選では、共産党の党県常任委員、鈴木千佳氏(50)も立候補。衆院選で進める野党共闘とは一線を画し、独自の戦いを繰り広げている。(今仲信博、奥原慎平)

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