土砂災害防止に新技術、高知の企業が開発

今夏、記録的雨量とされる豪雨による土砂災害が長野、静岡など全国で相次いだ。発生の時間、場所の予測が困難な土砂災害対策は地区ごとの避難計画、砂防ダムなど防災技術による事前対策が必要だ。今回は、注目される土災災害対策の新技術を紹介する。

豪雨による雨水は、土砂を押し流したり、地中に浸透すると、地表の地盤を崩壊させる地すべりやがけ崩れなどを起こす。こうした土砂災害が起こりそうな場合、行政から警戒情報が出されるが、「その時は、どこで土砂災害が起きてもおかしくない状況であり、土砂災害が起こりそうな時間、場所を特定するのは難しい」(片田敏孝・東京大院特任教授)。

このため、土砂災害を避けるには、事前に避難計画・訓練に取り組み、早めの避難を実行することや、砂防技術などにより被害が住宅地などに及ばない対策を実施することが必要だ。

杭(くい)の多重壁で被害抑止

現在、土砂災害対策として注目を浴びているのが、技研製作所(高知県)が開発した、鋼管杭(ぐい)や鋼矢板を地中深く打ち込み壁状に設置する技術だ。

傾斜面にある住宅地を地すべり、土砂崩れから守る場合、まず、住宅がたつ地表の地盤が崩れる地すべりを防止するため、住宅地の最上部で太い鋼管杭を住宅地に沿って、硬い地盤の支持層まで壁状に打ち込む。この際、雨水が滞留し鋼管杭に過重負担をかけないように雨水を逃すため、杭の壁に隙間を設ける。

さらに、のり面の土砂崩れから住宅地や道路を守るため、細い鋼管杭や鋼矢板を壁状に配置する。