衆院選注目の選挙区

長崎1区 共産と一線画す国民民主

観光地の長崎新地中華街の近くで演説を聞く有権者ら=19日午前、長崎市(原川貴郎撮影)
観光地の長崎新地中華街の近くで演説を聞く有権者ら=19日午前、長崎市(原川貴郎撮影)

「全国が注目する象徴的な選挙区だ。今までと同じ政治を続けるのか、新しい、国民のための信頼できる政治に変えていくのか。これが最大の争点だ」

国民民主党代表の玉木雄一郎は22日、衆院選公示日の19日に続いて長崎市で街頭演説に立ち、同党が擁立した前職、西岡秀子への支持を重ねて求めた。

玉木が長崎1区に強くこだわるのには2つの理由がある。1つは、国民民主は「改革中道」を掲げる立場から共産党を入れた野党共闘と距離を置く姿勢を際立たせているが、その共産が西岡への対抗馬を擁立し、足元を脅かすからだ。

国民民主は今回の衆院選にあたり、安全保障関連法の廃止を求めるグループ「市民連合」を介し、立憲民主党や共産などが締結した共通政策には合意しなかった。安全保障政策などで一致できなかったからだが、政権奪取を目指すなら共産と一線を画すとの信念が判断の背景にある。

玉木は19日に西岡の脇で衆院選の第一声を上げた後、「われわれは現実的な政党でありたいし、いつか必ず政権の一翼を担いたい。共産党を含め協力できるところはするが、外交、安全保障、エネルギー政策の面でどうしても合意できなかった」と吐露した。

共産は衆院選で立民との候補一本化を進めるため、公示直前に計22の選挙区で候補を取り下げた。しかし、国民民主との競合区は長崎1区を含め擁立方針を変えず、対決姿勢を鮮明にした。共産書記局長の小池晃は「共通政策が重要な要素になるので、(国民民主のために候補を下げる)選択肢はない」と語る。

共産が長崎1区に立てた安江綾子は「新しい政権をつくっていくために全力を尽くす」と強調。この「政権」とはあくまで立民を中心としたものだ。西岡は保守政治家として知られた祖父の元県知事、竹次郎や父の元参院議長、武夫の代からの後援会を引き継いでおり、周囲には「共産に支援してもらわなくてもいい」と強気の姿勢をみせる。

玉木が同区にこだわるもう1つの理由は、自民党が元首相の安倍晋三の秘書を長年務めた初村滝一郎を擁立したからだ。玉木は安倍直系の初村を「自民党政権の象徴」と位置づけ、「ウソ偽りのない正直な政治を取り戻そう」などと批判することに余念がない。

「皆さまの、地域の悩みに寄り添い国政に反映をさせていきます」

19日夕、初村は長崎市の商店街で街頭演説した後、買い物客らとグータッチをしながら支持を訴えた。初村は安倍が首相時代、中央省庁とのパイプを築いただけに「即戦力」(自民県議)と期待が集まる。

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