浪速風

バラマキ給付金の財源は

総選挙を控えて各政党のバラマキ給付金合戦がさかんだ
総選挙を控えて各政党のバラマキ給付金合戦がさかんだ

「渋沢栄一自伝」(平凡社新書)に「公債の便利さに気づく」という一節がある。渋沢が徳川慶喜の弟、昭武(あきたけ)(後の水戸藩主)のお供で渡仏した際のことだ。教えてくれる人がいて、長期の滞在に備え2万円ほどあった留学資金をいったん、公債にかえた

▶ところが急な帰国が決まり、半年後にそれを売る。すると政府の公債はあまり値段が変わらなかったが、鉄道の公債は相場が上がってもうかった。「経済上、便利なものだ」との思いを強くしたというのである。政府などが財源として公債を発行し、だれでも買えるというしくみは渋沢にとって画期的だったろう。150年ほど昔のことだ

▶さて現代、総選挙を控えて各政党のバラマキ給付金合戦がさかんである。10万円とか12万円とか、一様に具体的な金額をアピールするが、その財源はどこか。それで票が集まると本気で思っているのだろうか。若者だって気づいている。有権者をあなどらない方がいい。