北朝鮮、安保理会合に反発「SLBM、米国狙っていない」

【ソウル=時吉達也】北朝鮮が19日に実施した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験について、同国の外務省報道官は21日までに、朝鮮中央通信の取材に対し「米国を意識したり狙ったりしたものではない」と主張。実験は「正当な自衛権行使」に過ぎないとし、国連安全保障理事会の緊急会合開催について「甚だしく刺激的な動き」だと反発した。

報道官はSLBM発射について、中長期的な国防計画における「日常的な活動の一環」と説明。「周辺国と地域の安全にいかなる脅威や被害も与えなかった」と訴えた。さらに、今月11日に金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が演説で述べた「主敵は戦争そのもので、南朝鮮(韓国)や米国ではない」との発言を引用し、SLBM開発に関して「米国は心配したり悩んだりする必要がない」と強調した。

その上で、米国も同種兵器を保有、開発していると主張し、北朝鮮への非難は「明白な二重基準」だと米国を批判。国連安保理が非難声明を出すことなどを牽制し、「米国と追従勢力があくまでも誤った行動を選択するなら、より重大かつ深刻な結果を招く」と警告した。

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