安倍元首相、枝野氏地元で「立民と共産に負けられぬ」

右から自民党の安倍晋三元首相、公明党の山口那津男代表、国民民主党の玉木雄一郎代表
右から自民党の安倍晋三元首相、公明党の山口那津男代表、国民民主党の玉木雄一郎代表

31日投開票の衆院選に向けて、自民党の安倍晋三元首相、公明党の山口那津男代表、国民民主党の玉木雄一郎代表が21日、それぞれ埼玉県内に入り、各党の候補者のてこ入れを図った。安倍氏は、立憲民主党前職の枝野幸男代表(57)に自民党前職の牧原秀樹氏(50)が挑む注目区・埼玉5区で街頭演説し、議席奪取を目指して支持を呼び掛けた。

21日夕、JR大宮駅(さいたま市大宮区)前でマイクを握った安倍氏は、民主党から政権を奪い返した後に雇用状況が改善したという持論を述べる中で、枝野氏の名を挙げて批判を強めた。

「あの民主党政権で枝野さんが官房長官を務めていた。経済産業相もやった」

埼玉5区は安倍氏にとって因縁の地の一つだ。

安倍氏は、首相(自民党総裁)として臨んだ平成26年の衆院選で、当時の民主党幹部の選挙区を軒並み狙い撃ちし、応援弁士らを集中的に投入する戦術をとった。狙いは、幹部を敗北に追い込み党の求心力を低下させることだった。当然、党幹事長だった枝野氏の埼玉5区も標的に据えた。

この結果、枝野氏は牧原氏の猛追に苦しめられたが、約3千票差で逃げ切って選挙区を守り抜いた。

安倍氏は21日の演説で、衆院選での主要野党の候補者一本化を念頭に「立憲民主党と共産党に負けるわけにはいかない」と声を張り上げた。続く言葉で「負ければ再びあの悪夢のような時代に逆戻りしてしまう。あるべき日本の姿をこの地域から発信していこうではありませんか」と訴えた。

一方、山口氏は正午過ぎ、公明党の比例代表北関東ブロックの候補者とともにJR武蔵浦和駅(さいたま市南区)前で街頭演説会に臨み「政権を担う政党を選ぶのが今回の選挙だ。公明党と自民党の候補を選んでほしい」と呼び掛けた。

また、立憲民主党の政権構想を「不安定で何をやるかよく分からない」と批判し、安倍氏と同様、立憲民主、共産両党の共闘に言及した上で「日本の行く末を任せることはできない」と主張した。

玉木氏は午後、国民民主党が公認候補を立てている埼玉県内2選挙区(4区、14区)の両方を遊説した。

4区の和光市での街頭演説では、党が掲げる「対決より解決」の姿勢をアピールした上で「反対ばかりではない、どうすれば問題を解決できるかを考え続けている国民民主党の仲間を一人でも増やしてほしい。政策のプロとして解決策をしっかり提案、実現していく責任が野党にも課されている」と強調した。(中村智隆、兼松康)

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