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本当に必要な支援見極めて 東京パラ出場・柔道男子100キロ級 松本義和さん(59)

東京パラ出場・柔道男子100キロ級 松本義和さん
東京パラ出場・柔道男子100キロ級 松本義和さん

20歳で全盲になった。視覚障害者ということもあり、「福祉」という言葉には人一倍敏感だ。しかし個人的には、福祉政策を前面に打ち出す政治家は、あまり信用できない。

お金を配ったり、行政サービスを手厚くしたりする政策は優しく聞こえる。だが人気取りのために、将来の財政をガタガタにされては大変だ。行き過ぎた行政サービスは、受け手のためにもならない。受け手側を満足させようとしても、きりがないと感じているからだ。

社会にはさまざまなサービスが存在する。だが使い方によっては、本人のためにならないこともある。

20年くらい前から、外出時の移動をサポートしてくれる同行援護の補助が始まった。一定の利用時間分の料金を負担してくれるありがたい支援だが、1人の障害者として、制度に頼り切ってしまうのもどうかと考えてしまう。

1人で外を歩くのは確かに危険だ。時には電柱や人にぶつかってけがをすることもある。ただ、自発的に一歩を踏み出す訓練をしない限り、現状は何も変わらないのではないか。

障害者の仲間には「自分でできることは自分でしよう」と訴えたい。一方で健常者との間には、個人の努力では埋められない差があるのも事実。政治にはその部分をよく見極め、政策を検討してほしい。

8月、東京パラリンピック(柔道男子100キロ級)に出場した。「初めてテレビで観戦した」という人も多かった。開催に反対する声もあったが、障害者の姿を多くの人に伝えられて、共生社会にまた一歩近づいたと思うし、出場者としても開催の決断に感謝している。目先の人気にとらわれず、未来を見通して本当に必要なことを実行してくれる人に、政治を担ってほしい。

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