東京都、経済活動再開にかじを切る 感染再拡大への備え課題に

飲食店の明かりがともる東京・新橋の繁華街=21日夕
飲食店の明かりがともる東京・新橋の繁華街=21日夕

東京都は21日、新型コロナウイルス対策として飲食店などに要請してきた営業時間短縮などの解除を決め、社会経済活動の再開に大きくかじを切った。新型コロナの感染状況は大幅に改善しており、落ち込んだ経済の立て直しを急ぐ考えだ。ただ、活動解禁は第6波の到来による感染再拡大のリスクと背中合わせで、状況に応じて迅速に時短要請などの措置を再び講じられるかが課題となる。

都の21日のモニタリング会議では、直近7日間を平均した1日当たりの新規感染者数が20日時点で46・1人に減少し、過去最多となった8月19日時点(4701・9人)の100分の1程度に落ち着いたことが報告された。入院患者数、重症者数とも減り、専門家は「通常の医療との両立が可能な状況」と評価した。

ワクチン接種の対象となっている12歳以上の都民のうち、2回打ち終えた人は73・1%(10月20日時点)に上る。都は重症化防止の切り札とされる「抗体カクテル療法」についても、発症後7日以内に投与できる体制を整備した。

要請解除の背景には、こうした医療を取り巻く環境の改善がある。だが、昨年春の初の緊急事態宣言発令以降、解除と感染再拡大、宣言再発令を繰り返してきただけに、都幹部は「今後の展開を楽観するわけではない」と強調する。

特に感染対策が徹底されていない飲食店では、集団感染の懸念が指摘されている。都が十分な対策の実施を確認した「認証店」は都内約12万の飲食店の85%に上るが、裏を返せば1割強の店は感染対策が定かでないということでもある。

都庁内には25日以降の措置をめぐり、「非認証店には酒類提供の自粛を引き続き求めるべきだ」との意見も根強くあった。だが、「ダメと言っても、酒を出す店は出しているのが現実」(都幹部)とされ、非認証店には「同一グループ4人以内」「酒類提供は午後9時まで」の協力を依頼する形とした。

認証店については、5人以上のグループの入店時にワクチン接種記録などを登録できる都の専用アプリの活用を推奨するとしているが、アプリのリリースは来月1日から。制限解除には間に合わず、混乱を招く可能性もある。

「デルタ株」が広がった第5波と同様、今後も新たな変異株の襲来が懸念され、都幹部は「感染再拡大の兆しが見えれば、速やかに時短営業や酒類提供の自粛を検討する」としている。