北朝鮮が19日に発射したミサイルについて、同国の朝鮮中央通信は20日、国防科学院が発射した新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)だと報じた。2016年に実験した潜水艦から発射し、成功したとしている。日米韓3カ国は19日、米ワシントンで高官協議を開き、緊張緩和と朝鮮半島の非核化に向け緊密に連携することで一致。ミサイル発射を国連安全保障理事会決議違反と非難した。安保理は20日午後(日本時間21日午前)にも会合を開き、対応を協議する。
北朝鮮は19日午前、東部新浦(シンポ)近くの沖合から日本海上にミサイルを発射していた。日本政府は2発が発射され、1発は変則軌道で約600キロ飛行、最高高度は約50キロと分析している。
ミサイルの落下時に変則軌道をたどるなどの特徴から、専門家らは今回のSLBMについて、今年3月や9月にも発射実験が行われた新型短距離弾道ミサイル「KN23」の改造型と分析。より開発ペースが速い地上型を転用することで、実戦配備までの開発期間を短縮する狙いなどがあるとみられる。
20日付の朝鮮労働党機関紙、労働新聞が掲載した写真から、今回のミサイルは今月11日に兵器展示会で初公開された、小型化したSLBMに塗装や形が似ていることが確認された。朝鮮中央通信は新技術が数多く導入されたと強調し、「水中作戦能力の向上に大きく寄与する」とミサイル開発の進展を誇示した。金正恩(キムジョンウン)総書記は現地視察を行わなかったとみられる。
高官協議には日本外務省の船越健裕アジア大洋州局長、米国のソン・キム北朝鮮担当特別代表、韓国の魯圭悳(ノギュドク)朝鮮半島平和交渉本部長が出席。安保理会合開催は、米国と英国が主導している。(ソウル 時吉達也、ワシントン 渡辺浩生、ニューヨーク 平田雄介)