子供の手洗い、親も一緒に 楽しみながら習慣づけを

新型コロナウイルスの流行に加え、秋から冬にかけてはインフルエンザやノロウイルスなども流行期に入る。いつにも増して感染症の予防に努めるためには、手洗いで手指を清潔にしておくことが大事だ。ところが子供は大人と比べて手先が不器用で、うまく洗えないことも多い。子供を感染から守るため、手洗いをしっかりと行う工夫を、専門家に聞いた。

東京都江戸川区の区立東小岩小学校の体育館で、専用のクリームを塗って手を洗った児童らが、手にブラックライトにかざした。すると、手の爪のあたりなどにある洗い残した汚れが白く浮かび上がった。

その後、教師が「爪のところが白い人、いましたね」などと言いながら、洗い残した部分や洗い方を確認していった。

これは花王が、希望した全国の小学校に提供した1・2年生向けの手洗い教材を使った授業の様子。ほかにも、なぜ手洗いが必要なのかを児童たちと考えたり、同社オリジナルの歌に合わせて、手のひらに爪を立てた「おおかみのポーズ」などでしっかり手を洗う方法などを学んだ。

授業に参加した女子児童は「お姉ちゃんにも教えてあげたい」と笑顔をみせた。

東小岩小学校の手洗いの授業で、手を洗う児童。この後、ブラックライトを当てて洗い残した部分を確認した =東京都江戸川区
東小岩小学校の手洗いの授業で、手を洗う児童。この後、ブラックライトを当てて洗い残した部分を確認した =東京都江戸川区

牧岡優美子校長は「手洗いは、子供たちもそうですが、保護者もすごく興味がある」と話す。児童が学習したことを家族に伝え、一緒に取り組んでいる家庭もあるという。

歌や香りで工夫

「手のひらは割とよく洗えても、指先や手首、親指の周りなどはなかなか洗えていないことが多い」と話すのは、家庭での衛生管理に詳しい花王研究戦略・企画部の上席主任研究員、小島みゆきさんだ。

一方で、手のひら▽手の甲▽指の間▽爪の間▽親指▽手首-の洗うべき6つの部位を歌に合わせて教えたところ、小学校低学年の児童もきちんと洗えたという。

小島さんは、子供に手洗いを教えるときは、保護者などによる「声掛けがすごく大事」と強調する。その際は、「やりなさい」などと強制するような声掛けではなく、親子で一緒に、楽しめるような工夫をして取り組むとよいという。手洗いの歌を歌ったり、子供の好きな香りのせっけんを取り入れるなど、進んで手洗いする気になる工夫をしてみてと促す。

それでも、「お子さんは手が大人ほど器用ではないので、なかなかうまくできないこともあると思う」と小島さん。最初はできなくても、「歯磨きのように習慣づけていく、という風に考えるといいと思います」と話した。

部活の前後でも

中学生や高校生の場合、意外と浸透していないのが、部活の前後の手洗いの必要性だ。

例えばバスケットボール部に所属している生徒なら、部活で共有するボールを介して複数の部員にウイルスが広がってしまう可能性がある。

そのため、このような部活などの具体的な場面を想定して手洗いの必要性を呼びかけると、「〝自分事〟として捉えられるので有効です」と話した。(小林佳恵)