群馬衆院選 注目は自民分裂回避、野党系乱立の1区

衆院選は19日公示され、群馬県内5小選挙区に計14人が立候補を届け出た。立候補者数は中選挙区時代を含め戦後最少となった。全区で議席を独占する自民に野党が挑む構図で、各候補は選挙事務所前などで出陣式を行った後、街頭演説に繰り出した。31日の投開票までの12日間、新型コロナウイルス対策や経済再生などを争点に論戦を交わす。在外を含む選挙人名簿登録者数(18日時点)は161万8487人。

【1区】野党系は3候補が乱立

いずれも自民前職の中曽根康隆氏と尾身朝子氏が県連に公認を申請し、保守分裂も危ぶまれたが、公示直前の15日に党本部が、情勢調査で優位に立つ中曽根氏の公認を決定。分裂選挙が回避された。

中曽根氏は前橋市内で開催した出陣式で、「一層、現場を回って声を聞き、思いを共有し、責任を持って国に持っていく」と決意を語った。

一方の野党は、与党への対抗軸となる候補の一本化は実現できず、3候補が乱立する形となった。

立憲民主県連の「支援」を受ける新人、斉藤敦子氏は「つらさや苦しみに寄り添っていく政治を実現する」と声をからした。

直前に日本維新の会公認からの出馬が決まった元職、宮崎岳志氏は、「政治も行政も一部の人だけのものになっていないか」と批判。消費税減税や地方分権などの重点政策を訴えた。

共産新人、店橋世津子氏は県庁前で第一声を上げ、「根本的な政治の転換で命と暮らしを守る政治の実現を」と政権交代を訴えた。

【2区】自・立・無の三つどもえ

4選を目指す自民前職の井野俊郎氏に対し、前回の比例北関東から転じ選挙区での戦いを挑む立民前職の堀越啓仁氏と、4期の実績を武器に再起を期す無所属元職、石関貴史氏が挑む三つどもえの戦いとなった。

堀越氏は選挙区初挑戦ながら、「消費税減税5%、所得税の免除をやる」などと主張。福祉現場での経験を踏まえ、介護職の処遇改善なども訴える。

石関氏はこの日朝から自転車遊説に出発。出陣式では、「(コロナ対策の)一律20万円の給付金を実現する」とアピールした。

井野氏は、「中小企業がもっと輝いて日本の経済を引っ張るような経済対策が必要」などと強調したほか、経済格差や教育格差の是正を訴えた。

【3区】前職2人に新人が参戦

自民前職の笹川博義氏と前回比例復活当選を果たした立民前職の長谷川嘉一氏に、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」公認の新人、説田健二氏が参戦した。

説田氏は県庁前での第一声で、「政治は与党と野党だけではない」と主張し、既成政党に代わる選択肢をとアピール。太田市などで運動を展開する。

笹川氏はこの日朝から夕にかけ、太田市など5カ所で出陣式を実施。「平時、有事の医療体制の再構築をしていかなければならない」などと訴えた。

長谷川氏は「政治の腐敗」が相次いでいると指摘。「格差解消、まじめに働く人が正規雇用で働けるようにするのが国の課題」などと支持を求めた。

【4区】一騎打ちの与野党対決

共産が公示直前になって新人の擁立の見送りを発表。野党間で調整が行われた結果、立民新人の角倉邦良氏が野党統一候補として出馬し、自民前職の福田達夫氏と1対1で対峙(たいじ)する与野党対決となった。

角倉氏は自公政権の転換を訴え、政権選択を迫る戦いに挑む。「格差が拡大し、新型コロナウイルス拡大でさらに厳しい状況に陥っている」として、こうした是正も訴える構えだ。

挑戦を受ける福田氏は高崎、藤岡両市で第一声を上げ、「国民のための党として立て直し、国民の生活を守り抜く」などと主張。党総務会長として多忙のため地元入りが制限される中で、知名度を生かした選挙戦を戦うとした。

【5区】自民8選か共産新人か

共産新人、伊藤達也氏が、分厚い選挙基盤に支えられる自民前職、小渕優子氏に挑む与野党一騎打ちの構図。

伊藤氏は自公政権による「コロナ大失政の転換を」と唱える。「政権交代を実現する歴史的な選挙戦」と訴えた。また、「一緒に誰もが希望を持って生きられる社会を作っていく」などと語り、支持を求めた。このほか、消費税減税なども主張している。

小渕氏は元首相の故恵三氏から続く地盤を強みに8選を目指す。この日は、派閥会長を務め9月に死去した竹下亘氏の地元、島根2区の新人の出陣式に参加。代わりに星名建市選対本部長が「支持、支援、お力添えをお願いする」と呼びかけた。