山口4区、安倍元首相12年ぶり地元で第一声

出陣式で第一声を上げる安倍晋三氏=19日、山口県下関市
出陣式で第一声を上げる安倍晋三氏=19日、山口県下関市

山口4区には自民党前職で元首相の安倍晋三氏(67)、れいわ新選組新人でプロレスラーの竹村克司氏(49)、無所属新人で元新聞社社員の大野頼子氏(47)が立候補を届け出た。盤石の支持基盤を誇り、連続10回目の当選を目指す安倍氏に、新人2人が挑む構図となった。

街頭でマイクを握る竹村克司氏=19日、山口県下関市
街頭でマイクを握る竹村克司氏=19日、山口県下関市

安倍氏はJR下関駅(山口県下関市)近くの広場で出陣式を開き、第一声を上げた。安倍氏が公示日に地元入りするのは、麻生太郎政権だった平成21年の衆院選以来で12年ぶり。24年の衆院選以降は党総裁・首相として全国各地を応援演説で回り、地元では昭恵夫人を中心に支援を呼び掛けていた。

出陣式で安倍氏は、新型コロナウイルス対策について「雇用を守るため躊躇(ちゅうちょ)なく財政出動していくべきだ。経済をV字回復させるために思い切った対策を進めていく必要がある」と訴えた。

昨年、首相を退任した安倍氏だが、演説の終盤には「私にはまだやり残したことがある」と切り出し、北朝鮮による拉致問題の解決と憲法改正を挙げた。改憲については、自衛隊の明記に触れ「自衛隊の違憲論争に終止符を打つのは政治家の責任だ。日本の未来のために新しい憲法を書き上げていこう」と強調した。

安倍氏の地元入りで熱気を帯びる陣営は、10万票以上の得票を目指す。一方で気がかりなのは、同じく下関市を拠点としてきた元参院議員の林芳正氏が隣の衆院山口3区にくら替えしたことによる影響だ。

長年「衆院は安倍氏、参院は林氏」と、安倍、林両派が互いに選挙協力してきたが、林氏のくら替えによって、安倍氏陣営は「林派がこれまで通り動いてくれるか」と懸念する。

れいわの竹村氏は同市内の選挙事務所で出陣式を終えた後、唐戸市場(同市唐戸町)前で街頭演説した。

「デフレが続く中でコロナがやってきて、どんどん下関の街が衰退していく。そんな時に自粛、自粛というだけで、全く補償がない」と政府のコロナ対策を批判。「先頭に立って、皆さんの苦しい思いを束ねて国会に届ける。若者や子供たち、孫の世代が安心して暮らせる世の中にしていく」と力を込めた。

竹村氏は昨年2月、当時の安倍政権打倒をうかがう象徴的な選挙区として、安倍氏の地元に立候補を表明した。野党統一候補として、消費税廃止、介護士・保育士の公務員化などを訴え、政権批判の受け皿となることを狙う。

大野氏も唐戸市場前で第一声を上げ「働く女性や若者が活躍できる場を増やしたい」と女性や若年の支援、起業家をサポートする施策の充実などを訴えた。

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