「政治とカネ」封印 枝野氏第一声は地方経済重視

松江市の岸公園で第一声を行う立憲民主党の枝野幸男代表=19日午前、島根県松江市(永田直也撮影)
松江市の岸公園で第一声を行う立憲民主党の枝野幸男代表=19日午前、島根県松江市(永田直也撮影)

立憲民主党の枝野幸男代表は、16分強の第一声で新型コロナウイルス対策と所得再分配を軸とした経済対策、第1次産業振興の3点を訴え、「政治とカネ」やスキャンダルをめぐる政権批判は封印した。衆院選は与党と野党第一党が政権を争う選挙であることを意識し、安定感や政策優先の姿勢をアピールした。

演説の冒頭では、旧民主党が政権から転落した平成24年以来、初めて自民党に代わる政権の選択肢になれたと強調。コロナ対策では、自身が官房長官として対応した東日本大震災と原発事故の「経験と教訓」をもとに、首相直轄で官房長官をトップとする強力な司令塔組織を設立すると訴えた。

経済政策では、アベノミクスを「株価だけは上がったが日本経済は成長していない」と批判した。所得の再分配を進めて賃金を上げ、国内消費を伸ばし景気を上向かせると主張した。特に、介護職員、保育士、看護師らの賃金上昇や正規雇用への転換を訴えた。

枝野氏によれば、松江市で第一声をあげた理由も「アベノミクスによる格差の固定化や貧困の拡大」を抱える地域で、「これを立て直すことこそがわれわれの目指す『支え合う社会』であり、『分配なくして成長なし』」だと指摘する。

枝野氏は「私たちには具体的な提案がある」などと繰り返した。「立民は批判ばかりしている」との声を意識したものだが、一方で、政権を取った場合の共産党との関係には触れなかった。

(田中一世)