磯崎仁彦官房副長官は19日午前の記者会見で、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことを受け、岸田文雄首相が同日に公示された衆院選(31日投開票)の応援演説のため東北で予定していた日程を途中で切り上げ、東京に戻る方向で調整していると説明した。北京の外交ルートを通じて北朝鮮に抗議したことも明らかにした。
磯崎氏によると、北朝鮮がミサイル2発を発射したのは19日午前10時15分と16分。東方向に発射し、朝鮮半島東沖の日本海上に落下したとみられる。日本の排他的経済水域(EEZ)への落下に関しては「現在分析中だ」と述べた。
発射を受け、政府は首相官邸危機管理センターの官邸対策室に緊急参集チームを招集。関係省庁間で情報を集約し、対応を協議した。磯崎氏は記者会見で「わが国の平和と安全を脅かすものであり、度重なる発射も含めわが国を含む国際社会全体にとっての深刻な課題だ。極めて遺憾だ。強く非難する」と述べた。
発射当時、首相は福島市内に滞在中だったが、磯崎氏は「ただちに報告し、指示を受けており、対応に遺漏はない」と説明。松野博一官房長官も自身が立候補した衆院千葉3区内にいたが、磯崎氏は「首相にも官房長官にもいかなる時にも連絡を取れる態勢を構築している」と述べた。