(第2回「劇場は面白いもんが、より面白い」から続く)新型コロナウイルスの感染者数が増えるたび、劇場は休業や無観客開催を要請されてきた。「お笑い」は演者と客が空気を共有することで成り立つ。上方落語協会会長の笑福亭仁智さんは自治体からの無観客開催の要請に「無神経に見えました」と言い切った。(全3回連載)
疑問-補償は求めていない
東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に3度目の緊急事態宣言が出た今年4月。大阪府はイベントの「無観客開催」を要請した。これに対して「閉める」選択をしたのが、落語の定席「天満天神繁昌(はんじょう)亭」(大阪市北区)だった。