主張

「従軍慰安婦」記述 是正阻む河野談話撤回を

いつまで、史実を歪(ゆが)める「従軍慰安婦」という言葉を教育現場で使うつもりなのか。これこそ平成5年の河野洋平官房長官談話がもたらした深刻な弊害である。

「従軍慰安婦」は、日本軍による強制連行という誤った認識とともに戦後に作られた造語だ。これを使うのは不適切だとする閣議決定もある。

それにもかかわらず、文献を引用する形で一部の教科書に残ることになった。

いかなる形でもこの用語を教科書に載せることに反対する。学校で噓を広げぬよう、さらなる見直しを求めたい。

併せて政府は、元凶である河野談話を継承せず、撤回すべきである。河野談話は「いわゆる従軍慰安婦」という用語を使い、裏付けがないまま強制性を認めた。

その結果、「女性が無理やり連れ去られた」という誤解や曲解が世界に広まり、教育現場にも影響が及んだ。問題の根源を断ち切らなければ、今後も同じことの繰り返しである。

発端は、令和元年度の中学校教科書検定で1社、2年度の高校教科書検定で2社の教科書に「従軍慰安婦」という記述が登場したことだった。政府が今年4月、「慰安婦」を用いるのが適切だとする答弁書を閣議決定したことを受けて、3社は文部科学省に訂正を申請し、いずれも承認された。

ところが、このうち中学と高校の各1社が「従軍」を削除したのに対し、高校の別の1社は「いわゆる従軍慰安婦」との記述がある外務省の文章を「資料」として引用し、注釈に政府の見解を載せることで対応した。

注釈では「従来は、政府の談話なども含めてこのように表現されることも多かった」とも記し、河野談話に触れている。

令和元年度の検定で「従軍慰安婦」という記述がパスした際、文科省が根拠としたのも河野談話だった。

不適切だと政府が閣議決定してもなお、教科書から排除できないのは、政府が河野談話を継承しているからにほかならない。

今回、引用する形で「従軍慰安婦」を記述する手法が承認されたことにより、次回の教科書検定で同様の記述が増えることを危惧する。引用文献も含めて教科書に不適切な用語を使わないよう徹底すべきである。

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